ご当地のかき氷4つの歴史と由来
かき氷のメニューと言えば、いちご・宇治金時・メロンなどがよくメニューとして取り上げられていますが、全国には、ご当地のかき氷もあります。この章ではネットでも話題となっている4つのご当地のかき氷についてピックアップしていきましょう。
酢だまり氷(山形)
(参照元:sassssshi0051|Instagram)
酢だまり氷は、山形県の山辺温泉エリアで発祥したかき氷です。いちごシロップのかき氷に酢しょう油をかけたものをさします。砂糖が高価だった時代に、ところてんにかけていた酢しょう油をかき氷にかけたのが始まりとも言われています。
山辺温泉エリアでは、保養センターのほかなどの山辺町内の5ヶ所のスポットで酢だまり氷が食べられます。
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あかふく氷(三重)
(参照元:marbooon|Instagram)
あかふく氷は、三重県の伊勢の定番土産・赤福をモチーフとしたかき氷です。見た目は抹茶の蜜がかかったベーシックなかき氷ですが、食べてみると氷の中にこしあんとお餅が別々になって入っています。1961年に海水浴に訪れていた方と一緒に考案したのが、あかふく氷の始まりとされています。
赤福本店をはじめとする二見支店や鳥羽支店といった三重県内の直営店のほかに、松坂屋名古屋店やジェイアール名古屋タカシマヤ店でもあかふく氷が食べられます。ただし、販売期間を設けているので、公式ホームページで確認することをおすすめします。
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コバルト(熊本)
(参照元:luna_nb6676|Instagram)
コバルトは、九州圏で展開している和菓子店・蜂楽饅頭の熊本本店が提供するかき氷であり、熊本のソウルフードとして位置づけられています。1950年ごろから食べられているかき氷です。
八代海をイメージしたブルーのシロップをかけた鮮やかな仕上がりが特徴。見た目がクールなこともあり、ソーダ味をイメージしますが、ハチミツ×ミルクで味付けているので食べやすくなっています。夏季限定のメニューとなっているので、夏に熊本市を訪れるときに立ち寄ってみる価値はあります。
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白熊(鹿児島)
(参照元:huwayuri|Instagram)
白熊は、スーパーやコンビニでもおなじみの氷菓子の一つではありますが、鹿児島市の喫茶店・天文館むじゃきが発祥。第二次世界大戦が終わって間もない1947年に、むじゃきの創業者・久保武氏が考案したメニューです。
凍らせた純水をふわふわに削り、自家製のミルクと蜜をかけ、トッピングには缶詰の桃・さくらんぼや色付けした寒天などを使用。色彩豊かなかき氷であり、創業以来、味などを調整しながらも、基本的なコンセプトを変えず今日に至っています。お店では、スタンダードな白熊のほかにも抹茶白熊・コーヒー白熊・プリン白熊などの15種類の白熊メニューがラインアップされています。
オンラインショップも展開し、全国発送にも対応。鹿児島県外の人たちにも白熊の魅力を発信しています。定期的に大手デパートの催事でも白熊を販売しているので、情報をチェックすることをおすすめします。
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まとめ
かき氷の歴史は奈良時代にさかのぼり、平安時代には貴族の氷菓子として食べられていたという文献も存在します。そして、氷は江戸時代までは上流階級の食材でした。
そして、幕末になると製氷技術が開発され、氷が一般社会にも定着するようになりました。次第に暑い日に氷を口にする習慣が定着し、砂糖などをかけてかき氷として食べられるようになりました。加えて、かき氷にはご当地ものも存在し、地域の活性化とアピールにもつなげている事例もあります。
歴史が長いかき氷は、まだまだ進化する見込みがあります。令和のかき氷の歴史がどう刻まれるか引き続き注目です。
参考
大阪には本物の氷がある「大阪純氷」|氷の博物館/人と氷の関係史
筑場の友 2018ね7月号|つくばアカデミー
清少納言とかき氷|菓子資料室 虎屋文庫|株式会社 虎屋
清少納言も賛美した夏の涼「氷」|食の安全|JBpress
かき氷|暮らし歳時記
あまづらの削り氷|一般社団法人日本かき氷協会
<第1回>氷と暮らしの物語 中川嘉兵衛と氷業のはじまり|ニチレイ[こおらす]
一口でわかるこれぞ本物のかき氷/古今東西、かき氷|大阪には本物の氷がある「大阪純氷」
製氷事業の発達史|神奈川県氷雪販売業生活衛生同業組合
第48回 フィリピンかき氷「ハロハロ」の本当の食べ方とは?| ナショナルジオグラフィック日本版サイト
2016年8月10日放送 山形県山辺町 山辺温泉|スーパーJチャンネルみやぎ|KHB東日本放送
天文館むじゃきショッピングサイト|白熊について