扇風機は使っていると、空気中のほこりや油汚れを巻き込んで汚れがこびりついてしまいます。汚れてしまうと見た目に不潔なだけでなく、汚い風を全身に浴びるようで気分が悪いものです。そこで、この記事では羽根あり扇風機と羽根なし扇風機のお掃除方法をご説明します。掃除の頻度や、掃除をするときの注意事項、そしてシーズンオフの収納方法まで、扇風機のお手入れ方法を正しく知りましょう。
扇風機の掃除はいつするの?
扇風機は気が付くと汚れているけれど、使えないわけではないから大丈夫……と掃除をするタイミングを後回しにしている方はいらっしゃいませんか。扇風機を掃除する頻度と掃除の程度をご説明します。
本格的に使用する時期は、1ヶ月に1回が目安
扇風機を本格的に使用する初夏から秋にかけてのシーズンは、ほこりの付き具合を見ながら掃除をしましょう。使用頻度や使用場所によって、汚れのつき具合が異なりますが、1ヶ月に1回程度の掃除するのがいいでしょう。
シーズンオフになり収納するときはしっかりと
扇風機のシーズンオフを迎えて収納するときは本格的に細部までしっかりと掃除をしておきましょう。それによって、来期以降も長く良い状態で使用できるようになります。
夏になり使用開始するときにも確認しよう
扇風機を収納場所から出して、使用開始するときに正常に動くかどうかを確かめる意味も込めて軽く掃除をするのもおすすめです。羽根あり扇風機の場合は、モーター軸に油をさしてモーターの回転が正常に動くかどうか確認をしておくといいでしょう。
羽根あり扇風機の掃除方法
まずは羽根あり扇風機の一般的な掃除方法をご説明します。説明上用いる扇風機の部品名は、東芝扇風機F-DLR100の取扱説明書を参考します。各社によって部品名や一部の仕様が異なりますが、基本的な構造は同じです。最近では扇風機の品番が分かればインターネットで取扱説明書がダウンロードできます。お手持ちの扇風機の構造が特殊な場合は一度製造元のサイトをご覧になるのをおすすめします。
参考
東芝扇風機(家庭用)取扱説明書F-DLR100 各部のなまえ|TOSHIBA、P5~7
用意する物
羽根あり扇風機の掃除で用意するものを手順ごとにまとめました。
【羽根あり扇風機の掃除に使う物一覧】
準備 |
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ほこりを取る | 掃除機 | |
拭き上げる | あまり汚れていない場合 |
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汚れが酷い場合 |
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細部の掃除 |
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乾燥 | 柔らかい雑巾(化学雑巾は注意) |
(東芝扇風機(家庭用)取扱説明書F-DLR100 各部のなまえ|TOSHIBA、P16、扇風機の超簡単お掃除!半年間、ホコリまみれじゃ夏は迎えられない!|リライバーズより筆者作成)
掃除の前に、扇風機を解体する場所に新聞紙を敷いて、養生テープで固定しておきましょう。扇風機の汚れで部屋が汚れるのを防ぐだけでなく、扇風機の掃除後の後片付けが簡単です。
では、順番に掃除の方法をご説明していきましょう。
(1)電源を切り、コンセントを抜く
羽根の回転を止めるために電源を切ります。そして、掃除中の万が一の事故を防ぐためにコンセントを抜いておきましょう。
運転停止直後は、モーター部分やモーター軸が熱くなっている可能性があります。そのため掃除を開始するのは、運転停止から30分程度待ってからにしましょう。
(2)解体する
ほこりがたまりやすい羽根とカバーを解体していきます。この時、小さな部品があるので、なくさないように気をつけましょう。
特殊な構造の扇風機の場合は解体できない場合があります。この場合、無理な力を加えたり、自己判断でネジを外して解体するのは避けましょう。
前カバーを外す
前カバーはカバーリングの上についたツメが後ろカバーに合わせて、引っかけてはめ込んでおり、下のツメについたクリップで固定されています。そのためまずは、前カバーリングの下についたクリップを外してから、前カバーリングを両手で外し、前カバー全体を持ち上げてツメを外しましょう。
羽根を外す
羽根はモーター軸にはめられており、羽根中心部がスピンナーで固定されています。そのためまずは、スピンナーを手で回転させて外しましょう。その後、羽根の中心部を持ってモーター軸から引っ張って外します。
後ろカバーを外す
後ろカバーはモーター部の取付穴に合わせてはめ込まれており、後ろカバーの中心部を締め付けリングで固定されています。まずは、締め付けチングを手で回転させて外しましょう。その後、後ろカバーリングを両手で持って、モーター軸に注意しながらモーター部から引っ張って外します。
(3)ほこりを取る
前カバー、羽根、後ろカバー、モーター部、モーター軸に浮いているほこりを掃除機で吸い取ります。この時、衝撃を与えないように注意しましょう。
(4)拭き上げる
拭くときは、柔らかい雑巾を使いましょう。化学雑巾を使う時は、使用上の注意をよくご確認することをおすすめします。
30℃くらいのぬるま湯を使うと、無理な力でこすらなくても汚れが落ちやすくなります。暑い時期の掃除でしたら、汚れの程度に合わせて水を使ってもいいでしょう。
あまり汚れていない場合
雑巾を、ぬるま湯(または水)に浸して固く絞り、汚れを拭き上げます。前カバー、羽根、後ろカバー、モーター部、モーター軸だけでなく、取り外した小さな部品も忘れずに拭き上げましょう。
汚れがひどい場合
スポンジに台所用中性洗剤を泡立てて前カバー、羽根、後ろカバーを洗います。その後、ぬるま湯(または水)で洗い流します。
モーター部やモーター軸は洗えませんので、汚れの程度に関わらず固く絞った柔らかい雑巾で拭き上げましょう。
(5)細部の掃除
雑巾やスポンジで落とせなかった細部の汚れは爪楊枝や綿棒、刷毛で優しくこすって取りましょう。
刷毛は、柔らかく細い毛が特徴で、繊細な家電のほこりを取るのに便利です。幅はお好みで選んでみましょう。
モーター軸は汚れを拭き取った後、ミシン油を塗って、購入時についていたモーター軸用キャップをかぶせておきます。
ミシン油とは精製度の高い無色透明・無香料のオイルにさび止めなどを配合した潤滑油です。ミシン、自転車の潤滑や防錆(ぼうせい)、大工道具の使用後のお手入れ、電動バリカンや電動髭剃りの手入れ等、家庭内で幅広く使用することができるので、1本お持ちになっていると便利です。
(6)乾燥
乾いた柔らかい雑巾で水気をそっと拭き取ります。強くこすってはいけません。雑巾が入らない部分は綿棒で水分を拭き取りましょう。その後、風通しの良い日陰で干し、完全に乾燥させます。
(7)組み立て
完全に乾燥したことを確認できたら、モーター軸用キャップを外し、解体した順番と逆の手順で組み立てましょう。組み立てる時はそれぞれの部品がしっかり合わせ部分にはまっていることを確認しましょう。また、部品が緩んで取り付けていると扇風機を運転した時に危険ですので、しっかりと固く締め上げておきましょう。