ほくろは誰にでもあるものですが、まれに悪性化するものもあります。特に足裏など、体重がかかるところは注意した方がいいという話を聞いたことはないでしょうか。子供の足裏にほくろがあるとき、どのようなものであれば注意すべきなのでしょうか。
もくじ
子供のほくろ、心配した方がいいときは?
多くの子供には生まれつき、ほくろがあります。また、成長とともにほくろが増えてくる子供もいるでしょう。気をつけた方がいいほくろとは、どのようなものなのでしょうか。
ポイントは「母斑性母斑で20cmもしくは6mm以上」
ほくろは医学的な観点でいうと「母斑性母斑(ぼはんせいぼはん)」と呼ばれます。母斑には、ほくろ以外にも、いわゆる「蒙古斑」や生まれつきのあざなど、さまざまな種類があります。
その中で悪性化する可能性があるものは母斑性母斑、つまりほくろです。しかし、ほくろであってもほとんどのものは悪性化しません。日本皮膚科学会によると、気をつけた方がいいものは以下のようなほくろだといいます。
- しみ・ほくろの形が左右対称性でない
- しみ・ほくろのまわりがギザギザしている
- しみ・ほくろの色が均一でなく、濃淡が混じっている
- しみ・ほくろの直径が6mm以上ある
(引用元:メラノーマ(ほくろのがん) Q3 どんなほくろやしみに気をつけたらいいのですか?| 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) )
また、生まれたときからある先天性の母斑性母斑については、20cm以上だと悪性化する可能性が高いとされているそうです。これらの条件に当てはまっている場合は、一度皮膚科医に相談してみてください。
ちなみに、実際にほくろが悪性化した「がん」であるメラノーマを発症するのは、10万人のうち1、2人程度だと考えられています。
日本におけるメラノーマの発生数は人口10万人あたり1.5~2人くらいと言われ、年間1500人~2000人くらい発生していると推測されています。
(引用元:メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍 Q5 各皮膚悪性腫瘍の発生する割合はどれくらい?| 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会))
10万人に1人という数字はゼロではないものの、可能性としてはとても低い数字です。また、メラノーマは子供よりも、高齢になると発症することが多い悪性腫瘍だそうです。
参考
子どものほくろ、取ったほうがいいの? | 朝日新聞デジタル
メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍 Q10 早期発見するにはどうすればよいのでしょうか? | 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
紫外線とは上手に付き合おう
紫外線は皮膚がんの原因になるという理由で、子供の紫外線対策を入念にしている家庭もあるのではないでしょうか。現代では悪者扱いされやすい紫外線ですが、ビタミンDを体内で生成させる役割もあります。
最近ではビタミンD欠乏症である「くる病」が増えているという報告もあるそうです。紫外線の多い時期は日焼け止めなどの対策をしつつ、過度に敏感にならないように過ごしてください。
参考
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要- 2013年度|国立環境研究所
メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍 Q11 皮膚悪性腫瘍の発生を予防できますか? | 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
紫外線との付き合い方 避けすぎも浴びすぎもだめ | 朝日新聞デジタル