水遊びを数倍面白くするおすすめおもちゃ!身近なものが手軽に変身 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

【大人の目線】水遊びにはこんな意味がある

水遊び おもちゃ

次に着目するのは、遊びの当事者である子供の目線から一歩引いて、育て支える側の大人として理解しておきたいポイントです。子供の成長における水遊びの意味を押さえていきましょう。

個性を成長させ本能エネルギーを昇華させる役割

京都女子大学教授の大辻隆夫氏は、心理療法の臨床ツールである「投影樹木画法」を使い、保育における水遊びの効果を実証的に検証しています。30分間の短期の水遊びとおもちゃなどを使った自由遊びとの比較、短期水遊びと約2ヶ月の長期水遊びとの比較の2種類の実験を行いました。

この実験からは、次のようなことが分かりました。

①短期の水遊びは自由遊びに比べ、個性の成長を促し、特に攻撃性を緩和する。

②水遊びの効果は、期間の長短に依存しない。

③しかしながら長期水遊びの結果からは、関係性の改善や自我の統合性、寛容性など、社会化や集団への適応といった次元において、長期ならではの保育効果が示唆される。

水遊びには、本能エネルギーを適切な形で子供に自覚させ、遊びによって昇華させる、心理的な成長効果があることが確認されたのです。

参考

大辻隆夫ら(2005年)『保育における水遊びの効果に関する一研究 : 投影樹木画法における成長指標 (GCL) とトラウマ指標 (TCL) からの検討』京都女子大学発達教育学部紀要 Vol.01

子供の遊びの本質は「自発的な探索学習」

水遊びは、広い意味で「遊び」というカテゴリーの中のひとつと捉えることができます。では子供にとって「遊び」とは何なのでしょうか。筑波大学の学長を務めた門脇厚司氏は、青少年体験活動全国フォーラムでの講演において、次のように遊びの意義を語っています。

子どもが体験をする,体験を重ねるということは,遊びという形を取ることになる。「遊ぶこと」というのは,質のいい性能のいい脳を構築することになる。その結果が,学習意欲を高め,思考力や理解力を高め,学力を向上させるということにつながる。

(引用元:独立行政法人国立青少年教育振興機構 平成19年度「青少年体験活動全国フォーラム」報告 特別講演「子どもの体験と遊び」

初めてトイレトレーニングを受ける子供は、うんちが水で流れるのが不思議で面白くてたまらず、何度も水を流します。ミルクをやめて離乳食をスタートする子供は、器の中に指を突っ込み中身をテーブルにひっくり返して手でかき混ぜることで、五感をフル活用して離乳食の色や匂い、感触や味を知ります。

子供にとっての「遊び」は、暇つぶしでも無駄なことでもありません。大人から見て制止したいような振る舞いであっても、子供にとっては大切な学びの体験なのです。

遊びは国際的に認められた子供の権利

遊びは、国際的に認められた「子供の権利」です。国連では、1959年に子どもの権利宣言が、1989年に子どもの権利条約がそれぞれ採択され、それぞれ第7条と第31条で権利としての遊びが明文化されました。

「子供の権利」という観点から見たとき、わたしたち大人は子供たちに対し、児童労働や家事の負担、勉強の強制などから守って自由に使える時間を確保し、貧困や民族、言語、宗教、障がい、性別などによって権利と機会に不平等が生じないよう、努める義務があります。

子どもの権利委員会は、2013年の第62会期で、子供の遊びの意義や対処すべき課題を取りまとめました。その中から、特に今日的な課題を2点、次に抜き出してみます。

■電子メディアの役割の増大

テレビやネットゲームなど、さまざまなデジタルプラットフォームが遊びの中に大きな役割を占めるようになってきています。そこで懸念されるのは、次のような点です。

・ネットいじめやポルノグラフィーへの誘導など、ネット上の脅威に子供がさらされている
・特に男の子の間で暴力的なビデオゲームへの参加の増加が見られ、攻撃的な振る舞いとの関連が懸念される
・メディア、特にテレビのプログラムが、現実社会の多様性を反映しない単一文化的なものになっている
・画面視聴への依存が高まり、身体活動の低下や睡眠習慣の悪化、肥満や疾病水準の上昇を起しているように思われる

■遊びの販売促進・商業化

玩具・ゲームメーカーによる遊びの商業化、販促活動は世界的な広まりを見せています。委員会が警鐘を鳴らすのは、次のような玩具です。

・テレビ番組とのタイアップ玩具、特に登場人物の描き方やストーリーが類型的なもの
・一定の動きが設定された玩具や遊びのパターンが単一なキットなど、子供を受け身の観察者にして活動の幅を狭めるもの
・伝統的なジェンダー・ステレオタイプを反映した玩具や、女の子に異性受けする美や魅力の会得を促す玩具
・危険な部品や化学物質を含む玩具
・リアルな戦争玩具・ゲームなど

子供の遊ぶ環境を整え、おもちゃを選ぶ際に、気を付けたいポイントです。

参考

子どもの権利委員会 第62会期(2013年1月14日~2月1日)一般的意見17号 休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利(第31条)