新元号は令和!他の候補や考案者は誰? - cocoiro(ココイロ)

2019年5月より新しい「令和」の時代が始まりました。新元号が決定するまでには、ほかの案も含めて新時代にはどのような元号がふさわしいかという議論が慎重に重ねられてきました。今回は新元号について、ほかにどのような候補があったのか、また、新元号の案は誰が考えたのかをご説明します。

新元号は「令和」!ほかにも候補はあった?

令和を含めて、新元号には6つの案がありました。まずはどのような案があったのかご紹介します。

6つの新元号候補

新元号には「令和」を含めて、「英弘(えいこう)」「久化(きゅうか)」「広至(こうし)」「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」という6つの候補がありました。

今回、新元号として選ばれた「令和」の大きな特徴として、日本の古典である万葉集を出典としていることがあります。実は、日本の元号は最古のものから「平成」まで、中国の古典を由来とするものしかなかったのです。

また、「令和」以外の候補の由来を見ても、「英弘」「広至」は 日本書紀、「久化」「万和」「万保」は中国の古典を由来とする案であったそうです。新元号候補のうち半分が日本の古典を由来としており、その中から新元号が誕生したことは歴史的に大きな意味のあることといえるでしょう。

令和は当初、新元号の候補ではなかった

今回、新元号として選ばれた「令和」ですが、実は最初から新元号の候補として挙がっていたわけではありません。当初は「英弘」「久化」「広至」「万和」「万保」の5つの候補から次の元号が検討されていました。

しかし、3月中旬に急遽、新元号の候補として「令和」が追加されたのです。その結果「令和」となったことを考えると、検討されていた5つの候補は、次の元号として選出する決め手に欠けたために、新たに「令和」という案が追加されたのかもしれません。

「令和」の原案から決定するまでを解説

この6つの候補はどうやって原案が集められ、新元号として決定されたのでしょうか。ここでは新元号決定までのプロセスをご紹介します。

新元号の原案はどうやって考えられたの?

新元号の原案は誰が考えているかご存知でしょうか。新元号の原案を考えたのは、天皇陛下でも、政府でも、行政機関でもありません。新元号の原案を考えたのは政府から委嘱を受けた学者です。政府は学者から提出された原案をもとに、新元号の候補を選定することになります。

中日新聞によると、実際に原案は、国立公文書館の公文書研究官が委嘱された学者と次の元号にふさわしい条件などについて意見を交換しながら、熟慮を重ねて考えられたそうです。

参考
令和見ず他界、元号職人「肩書は仮」長年極秘選定|中日新聞(現在、リンク切れ)

新元号どうやって選ばれるの?

次に、集められた候補案から新元号が決められるまでの流れをご紹介します。

すでにご紹介したように、まずは政府が学者に新しい元号の原案作成を委嘱します。複数の原案が提出されるため、官房長官がその中から選定基準等をもとに候補の絞り込みを行います。

新元号の選定基準

ア 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
イ 漢字2字であること。
ウ 書きやすいこと。
エ 読みやすいこと。
オ これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
カ 俗用されているものでないこと。

(引用元:「元号選定手続について」(昭和54年10月23日閣議報告 | 首相官邸

次に、絞り込まれた候補について有識者懇談会に意見を求め、結果を首相に報告します。今回、この有識者懇談会は作家の林真理子氏、京都大学の山中伸弥教授など多様なメンバーで構成されていました。

有識者懇談会メンバー

上田良一(NHK会長)▽大久保好男(民放連会長)▽鎌田薫(日本私立大学団体連合会会長)▽榊原定征(前経団連会長)▽白石興二郎(日本新聞協会会長)▽寺田逸郎(前最高裁長官)▽林真理子(作家)▽宮崎緑(千葉商科大教授)▽山中伸弥(京都大教授)

(引用元:【新元号】有識者懇メンバー発表 山中教授ら9人 | 産経新聞

最後に首相が衆議院の正副議長に意見を聞き、全閣僚会議で協議した結果、新元号が閣議決定されます。このような長いプロセスを経て、今回の新元号は「令和」と決定されたわけです。