「シュタイナー教育」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 同時に「テレビは見ない」、「おやつは煮干し」、「裸足になって外で遊ぶ」など、首をかしげたくなるような話を聞くことも多い教育論です。
当記事では、知っているようで知らないシュタイナー教育について特徴や歴史、日本での実践校について詳しく紹介していきます。
もくじ
シュタイナー教育とは?
古い歴史のあるシュタイナー教育は子供の成長に大切な要素を多く含んでいます。シュタイナー教育を受けた人は自由な心をもち、自分らしく生きる人生を手にするともいわれています。この教育はどのような目的で考案され、どのような特徴をもっているのでしょうか。
シュタイナー教育の目的
シュタイナー教育の考案者ルドルフ・シュタイナーは健全な社会に必要なのは、「自由を手に入れた人間である」と考え、自由な精神をもつ人間を育成するための教育を始めます。ここでいう「自由」とは思いつくままの行動を意味するのではありません。自分の中に信じる主軸をもち世の中の価値観に踊らされることなく、自分の意志に沿ってとる行動を指します。
子供は発達段階に応じた環境を整えてやることで体、心、頭と順序よく成長していき、バランスのとれた人間になります。そのバランスの良い人間こそが自由を獲得できると信じ、均衡のとれた人に育てることがシュタイナー教育の大きな目的となっています。
シュタイナー教育の起源
社会の復興には、自由な思想をもつ人間の育成が必要だとしたシュタイナーによって、1919年、最初の学校が設立されました。ドイツから始まったその教育はたちまち世界に広がり、現在では60以上の国に1,000を超える学校と1,500以上の幼稚園においてシュタイナー教育が実践されています。
シュタイナー教育の日本展開
日本では1987年に1人のドイツ教師を迎え、最初のシュタイナー学校が東京に誕生しました。当初は学校外で学ぶという考えになじみがなく、シュタイナーの思想も広がりませんでした。
ですがその後、日本の小学校や中学・高校では不登校児童生徒が急増しました。画一的な学校教育に疑問を感じ始めた社会は、多様性のある教育を目指すシュタイナー学校へ興味を持つようになりました。そのようにして少しずつ日本に受け入れられてきたシュタイナー学校は、現在、全日制の学校は7校に増え、各地の幼稚園でもシュタイナー教育を導入するところは増えてきています。