イエナプラン教育とは?オランダを変えた個別教育の特徴について解説 ( 2 )

イエナプランの特徴

異年齢学級

まず、イエナプランの大きな特徴の1つが、学級が異なる年齢の子供たちで編成されているということです。1つの学級が、最大3才まで年齢の離れた子供たちから構成され、学級のなかで年少・年中・年長を経験し、それを3学級に渡って繰り返します。学級は『根幹グループ(ファミリー・グループ)』と呼ばれ、学級担任の教員は「グループ・リーダー」と呼ばれます。原則として、グループ・リーダーは交代しません。

4つの基本活動

学校での活動は、「会話・遊び・仕事(学習)・催し」という4つの基本活動を循環的させる時間割に基づきます。会話はサークル(車座)を作ってグループリーダーも生徒と共に参加して行われるため、サークル対話とも呼ばれます。遊びは企画されたもの、自由遊びなどさまざまな形態が用いられ、教育効果が期待されているものを言います。仕事(学習)は、課題を意識してそれを達成するための活動のことを言い、個別に行う自立学習と共同学習の2種類があります。催しは、週のはじめの会、週の終りの会、特別の年中行事、教員や生徒の誕生日などで、喜怒哀楽の感情を共有して学校における共同体意識を育てることに目的がおかれています。

こうした4つの活動が、カリキュラムの中で順番に循環する形で時間割が作られ、従来のように時間割が教科別で作られるということがありません。

ワールドオリエンテーション

イエナプラン教育では、社会や理科といった教科の区別がなく、ワールドオリエンテーションという総合学習の形態を用いています。働くことや消費活動、環境・地理、技術、時間の移ろいや、共生や持続可能性・コミュニケーションといった領域について学び、またその中で、自分の観察だけではなく、他の子供の観察を通じて知見を広げ、自他の違い、協働の仕方を学んでいきます。

イエナプランの教員と日本の教員との違い

イエナプランにおける教員「グループリーダー」の役割は、日本の教員のそれとは大きく異なります。日本では、教員が多くの子供に対して画一的に教える「ティーチャー」の形が一般的ですが、「グループリーダー」は子供たちの対話やワールドオリエンテーションの「ファシリテーター」の役割を果たします。あくまでも、出発点は常に子供たちの側にあり、経験を重ねることでその場にグループリーダーがいなくても自分たちで対話をするようになるそうです。また、こうしたグループリーダーとして振る舞うためには、子供たちを信頼し、「教員が上の立場である」をいう考えを捨てる必要があります。このスタンスこそが、子供のアクションを増やすために不可欠だというのが、イエナプランの考えです。

また、日本の教員とのもう1つの違いとして、イエナプランが普及するオランダでは教師に1人あたり年間13万円の研修費が支給されるそうです。これは、指導法や教材、社会問題などの変化・進化にキャッチアップし、自らの興味や課題に沿って研修を受けたりなどの自己投資に使うことを目的としています。イエナプランでは、教師が子供たちにロールモデルとして振る舞い、意義のある姿を見せることも、子供の自律性を育てる上で重要だという考えを重視しています。

日本でイエナプラン教育を受けるには?

日本でイエナプランを受けるには、イエナプラン教育を実践している学校に入学すると良いでしょう。現在日本にあるイエナプラン教育をしている小学校は長野県佐久穂町にある大日向小学校の1校のみです。

大日向小学校は、日本国内で初のイエナプランスクール認定校として知られ、「誰もが豊かに、そして幸せに生きることのできる世界を作る」を建学の精神として2019年4月に開校されました。

参考
大日向小学校

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