生徒会の役職とその仕事内容は、中学生、高校生でも意外と知らないものです。ですが、生徒会は全校生徒で構成される大きな組織なので、役職について関われば組織運営を学ぶことができます。また、受験の際には、特別活動の1つとして評価されます。この記事では、生徒会の役職についてだけでなく、その目的もご紹介します。
生徒会の役職と仕事内容
生徒会は、生徒が自治する組織のことで、学校に在籍する生徒全員が所属しています。ただ、一般的に「生徒会」と言われるのは、生徒会選挙によって選ばれた「生徒会執行部」のことを指します。
生徒会の活動は、文部科学省が定める学習指導要領にもその目的が明記されています。
1 目標
生徒会活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団や社会の一員としてよりよい学校生活づくりに参画し,協力して諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容
学校の全生徒をもって組織する生徒会において,学校生活の充実と向上を図る活動を行うこと。
(引用元:第5章 特別活動|学習指導要領「生きる力」|文部科学省)
活動内容としては、学校行事への協力や年齢が異なる集団による交流など5つが挙げられています。具体的には、体育祭や文化祭の企画・運営やあいさつ運動の実施、ボランティア活動や募金活動などがあるでしょう。
そんな生徒会には、どのような役職があり、どの役職の人がそれぞれどのような仕事をするのでしょうか。生徒会執行部、各員会委員長、専門委員会の3つに分けてご紹介します。
生徒会執行部
生徒会長をトップとする生徒会執行部からご紹介します。
生徒会長
生徒会長は、生徒会選挙で全校生徒から選ばれた生徒会執行部のトップです。体育祭や文化祭などの行事であいさつをしたり、入学式や卒業式などの式典で祝辞を述べることが主な活動内容。他にも、生徒総会での司会進行なども行います。
人前に話をすることが多いので、人前でもハッキリと分かりやすく話ができることが大切です。性格は明るく、社交的なタイプが多いようです。また、生徒会のトップという立場上、模範的な生徒であることも求められます。授業への取り組みや学校のルールを率先して守る態度も必要でしょう。
副会長
副会長は、生徒会のNo.2です。生徒会長の相談相手になったり、生徒会長の仕事をサポートしたりと生徒会長を支えるのが主な仕事です。生徒会長が表に出る存在だとすれば、副会長は縁の下の力持ちといったところでしょう。
ただ、生徒会長が不在の時は生徒会長の仕事を代行します。そのため、人前で話をする力も求められます。また、生徒会長の目が行き届かない部分に目を配り、生徒会長に一歩引いたところからアドバイスをすることも求められるので、冷静で客観的な考え方を持つ必要があるでしょう。
会計
会計は生徒会費の出入金状況を管理して、お金が正しく使われているかをチェックする金庫番です。国で言えば財務省に当たりますし、会社で言えば経理といったところでしょうか。また、年度末になると一気に帳簿の確認作業が回ってくるので、一時的に忙しくなることがあります。
お金の管理は、正確さと細かさが要求されるので、細かい作業をコツコツと正確にすることができる人が求められます。さらに、予算と報告された金額が合わないときには徹底的に追求し解決する粘り強さも必要になります。
書記
書記は、小学校の委員会でもある役職で、話し合いをする場には必要なポジションです。話し合いの記録をとるのが主な仕事で、正確さと内容を要約する力が求められます。また、書いたものは記録として残るので、字はきれいであるに越したことはありません。
広報がない学校では、生徒会誌に執筆したり、ホームページやSNSから発信することもあります。大きな行事の有無にかかわらず、常に仕事があり、生徒会長や副会長からも信頼され、頼られるポジションです。
庶務
生徒会の中で役割がはっきりしていない役職が庶務です。学校や生徒会を構成するメンバーによって仕事内容は変わってきます。大きく捉えると、会計以外の仕事全般に関わると考えておくといいでしょう。
例えば、生徒会室の事務用品の補填や行事の時のイスやテーブルの数確認、生徒会で使う資料のコピー、行事で使う看板や垂れ幕作りなどです。人手が足りていないところや作業が遅れているところを見極めて、マルチに作業をこなす力が求められます。視野が広くて、誰からも気さくに話しかけられるような性格の人が向いているでしょう。
広報
広報は、生徒会執行部の活動を生徒に周知するのが仕事です。生徒会執行部と生徒との間には、距離があることが多いものです。生徒たちは、生徒会執行部が何をしているのかあまり知りません。そこで重要な役割を持ってくるのが広報の仕事です。
生徒会執行部の活動内容を報告する生徒会誌を定期的に発行したり、ホームページを作って運用したり、活動の様子を発信したりします。広報がいかにアピールするかで、生徒たちの生徒会執行部に対する見方が変わってくると言っても過言ではないでしょう。
各委員会委員長
生徒会執行部の直属にあるのが各委員会です。例えば、風紀委員会、美化委員会、学習委員会、文化委員会、保健委員会、体育委員会、図書委員会などが挙げられます。
これらの委員長は、生徒会からの連絡を受けたり、各委員会で議論された内容を生徒会に伝え議論する役割を持っています。各委員会の代表なので、委員会でどのような活動をしているかを把握して、伝える責任感が求められるでしょう。
専門委員会
専門委員会は、体育祭役員や文化祭役員など、大きな行事があるときに一時的に構成される組織を指すことが多いです。生徒会執行部の下で活動しますが、行事の際は先頭に立って企画・運営を行います。
年間を通して生徒会執行部で活動するのは難しくても、一時的に活動することができるようであればおすすめの役職でしょう。