『海賊』のあらすじと有名な曲
『海賊』はストーリーを変更して上演されることも多い作品ですが、最もオーソドックスなストーリーを紹介します。なお、あまりメジャーな作品ではないこともあり、楽曲もあまり有名なものがありません。楽曲そのものを楽しむというよりは、異国情緒のある衣装や踊りをメインに捉えるという鑑賞方法が良いでしょう。
登場人物
コンラッド
主人公。海賊の首領をしています。ヒロインと惹かれ合いますが、戦いで離れ離れになってしまいます。
ビルバンド
コンラッドの友人。
アリ
コンラッドの部下。
メドーラ(メドゥーラ・メドラとも)
ヒロイン。ギリシャ人。コンラッドと出会った後、奴隷商人に捕まって売りさばかれてしまいます。
ギュリナーラ
メドーラの友人。
ランデケム
メドーラ達を売りさばいた奴隷商人。
パシャ
トルコの総督で、メドーラ達を奴隷として買い取ります。
プロローグ
(出典:Adam: Le Corsaire, Act 1 – Overture and opening of Scene 1 | YouTube)
大荒れの海で3人の海賊が船に乗っています。座礁を防ごうと努力しますが、難破してしまいます。
動画はこのプロローグと次にある第1幕の楽曲です。
第1幕
3人の海賊はコンラッド、ビルバンド、アリでした。3人が地中海にあるイオニア海沿岸に打ち上げられたところに、メドーラとギュリナーラ達が通りかかります。女性達に助け出されたところでコンラッドは目覚め、メドーラと恋に落ちます。
しかしそこに突然トルコ軍が乱入します。混乱に乗じて奴隷商人のランデケムはメドーラ達を捕らえ、奴隷市場に連れて行きます。コンラッド達は必ず助け出すことを誓います。
場面が変わり、奴隷市場でメドーラ達が売られています。まずギュリナーラがトルコ総督のパシャに買われます。
買い主に変装した海賊3人はメドーラを高値で買おうとしますが、パシャに正体を疑われます。海賊達は変装を解き、メドーラ達女性とランデケムを連れて逃げ出します。
第2幕
(出典:PAS D’ESCLAVE FROM LE CORSAIRE / ПА ДЕ СКЛЯВ ИЗ БАЛЕТА «КОРСАР» | YouTube)
女性達を取り戻した海賊3人は仲間達と合流し、宴会を開きます。メドーラ以外の女性達は家に帰りたいと考え、メドーラにとりなしてもらうように頼みます。メドーラはコンラッドにそのことを伝え、快諾を得ます。
しかし、ビルバンドはそれに反対します。仲間達もビルバンドに同調しますが、コンラッドはそれを押し切って女性達を家に帰します。
メドーラはコンラッドを愛しているのでその場に留まります。コンラッドとメドーラが寝室に移動したところで、奴隷商人のランデケムは復讐をするようにとビルバンド達をけしかけます。
ビルバンド達はコンラッドにこっそり睡眠薬を仕込み、眠らせます。ランデケムは隙をついてメドーラをさらって逃げます。
第3幕
(出典:バレエ「海賊」より 花園の場のワルツ:ドリーブ | YouTube)
トルコ総督パシャの自宅で、パシャは奴隷の女性達を踊らせています。ギュリナーラの踊りには満足しますが、そのほかの女性達には不満を抱いています。
そこにランデケムがメドーラを連れて現れます。パシャはメドーラを買い取り、満足します。
宴会を始めたパシャのところに、今度は巡礼者に変装したコンラッドが現れます。祈りを捧げるふりをして、隙を見てメドーラとギュリナーラを連れて逃げます。
無事逃げおおせたかのように思えましたが、またも船は嵐に遭い難破します。コンラッドとメドーラだけは無事に岸辺に打ち上げられるのでした。
動画はパシャが宴会の前に見た夢で、奴隷の女性達が踊る楽曲です。