子供がバレエに興味を持ち、習い始めると、それを見守る親としてもバレエの世界が気になるものです。この記事では、勉強と気負わずに楽しみながらバレエの知識を深められるバレエ漫画についてご紹介します。多くのものは現在でも読める環境が整っていますので、気になるものからチェックしましょう。
1970年代:バレエ漫画の金字塔
1970年代に連載が開始された2作品は、現在でも「バレエ漫画の金字塔」と呼ばれる名作。現在でもよく読まれており、入手可能です。
『アラベスク』(1971〜75年)
山岸凉子氏の『アラベスク』は、日本におけるバレエ漫画の草分け的存在です。日本の漫画ですが、舞台はロシア(当時は旧ソビエト連邦)でした。日本国内では、バレエダンサーの層がまだ薄かったため、主人公が切磋琢磨していく物語を描くには、バレエの盛んなロシアが適切だったそうです。
参考
『アラベスク』作者・山岸凉子「ノンナのモデル、実は私です」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
『SWAN』(1976〜1981年)
有吉京子の『SWAN』は1981年まで連載された後に複数回、断続的に連載されて2019年に完結しました。現在では、続編が『SWAN MAGAZINE』で連載されています。
参考
有吉京子全作品年表 | SWAN MAGAZINE ONLINE [スワン・マガジン]
バレエ漫画の金字塔『SWAN―白鳥―』完結を記念して、豪華3大特典つき「完結記念プレミアムセット」を限定発売!|平凡社のプレスリリース
1980〜90年代
続く1980年代以降は、バレエ漫画が徐々に増えていきます。
『牧神の午後』(1989年)
『アラベスク』を描いた山岸凉子氏は、1980年代には『牧神の午後』などの作品を発表しています。『アラベスク』は「バレエ・リュス」というバレエ団を率いたニジンスキーを描いた作品。現在は絶版になっているようですが、中古で十分手に入ります。
『黒鳥』(1994年)
同じく山岸凉子氏の『黒鳥』は、単行本『牧神の午後』に収録されています。こちらも実在する人物を題材に扱ったもので、アメリカを舞台にした作品です。
『天使のキス』(1997〜98年)
芦原妃名子氏の『天使のキス』は、バレエが好きな日本の女子高生が主人公の漫画です。現在では日本人を主人公としたバレエ漫画は珍しくありませんが、時代を追って見ていくと、このころにようやく登場したということが分かります。
現在絶版になっていますが、Kindle版や配信・オンデマンド印刷などで読むことができます。
参考
天使のキス 全4巻・芦原 妃名子|コミックパークで立ち読み!
『トウ・シューズ』(1997〜98年)
『天使のキス』とほぼ同時期に連載されていた水沢めぐみ氏の『トウ・シューズ』は、『りぼん』での連載ということもあり主人公の年齢がローティーンに下がっています。バレエが習い事として浸透してくるとともに、バレエ漫画を読む層も若い層に広がっていったと考えられます。
参考
『りぼん』の優等生・水沢めぐみがスポ根バレエ漫画で教えたこと/『トウ・シューズ』 | wezzy ウェジー