学資保険の必要性とは?メリット・デメリットと加入の判断基準 - cocoiro(ココイロ)

将来の子供の教育費を工面する方法として、学資保険への加入を検討している親もいることでしょう。しかし学資保険はお金をやりくりする手段の一つですから、必要のない人は加入しなくても問題がない場合もあります。

この記事では学資保険とはどのような保険か、学資保険に加入するメリット・デメリット、また各家庭が、学資保険に入るべきかどうかを判断するための基準について解説します。

学資保険って何?

学資保険とはどのような保険なのでしょうか。

子供の教育費用を積み立てる保険

学資保険は、子供が小さいうちから将来の学費に備え、教育費用を積み立てていくための保険です。ただ預貯金するよりも、支払った保険料を「運用」する形になるため、景気や返戻率によっては元本よりも少し多い額を受け取る可能性もある保険です。

日本政策金融公庫が2019年3月に発表した「教育費負担の実態調査結果」によると、子供の高校入学から大学卒業までに必要な学費は、実に953.4万円もの額に上ることが分かりました。子供を大学に進学させたい場合はそれなりの金額を用意する必要があるため、保険料を少しずつ積み立て、運用できる学資保険に加入する親も多いようです。

加入できるタイミング

学資保険には、出産前、妊娠期間中に加入される方もいるようです。子供が生まれてからでも加入はできますが、子供が7〜9歳、契約者である親の年齢が60歳を超えてくると年齢制限がかかる保険があり、「学資保険に入りたかったのに、入れない!」という可能性が出てきます。

加入を検討するのであれば、子供が生まれる前、もしくは生まれてからすぐのうちにしたほうがいいでしょう。

学資保険に入るメリット・デメリット

学資保険はあくまで「任意保険」ですから、自分が必要だと思えば加入し、不必要な場合は加入する必要がありません。まずは学資保険に入るメリットとデメリットを解説していきます。

学資保険に入るメリット

まずは学資保険に入ることによって享受できるメリットについて解説します。

万が一に備えて貯蓄ができる

学資保険に入る一番のメリットは、万が一に備えての貯蓄ができるという点です。いざ子供が大学進学するとなった際には、入学金や授業料などまとまったお金が必要となります。保険に入っていれば、毎月自動的に引き落とされ積み立てができるので、自分自身で貯蓄していく必要もありません。

また、銀行の預貯金や投資信託などと違って、学資保険の場合、契約者である親が病気、死亡などの事態に見舞われてしまった際は、その後の保険料の払い込みが免除になる商品もあります。払い込みがなくなっても、将来受け取る満期金は契約通りの満額でもらえるところが、「保険」という商品を選ぶメリットと言えるでしょう。

銀行預金より返戻率が高い

また保険には「運用」というスタイルを取るため、ただ銀行に預金していくよりも、満期で保険金を受け取る際に少し多めにもらえる可能性もあります。銀行にお金を預けると利子がついてきますが、その額は非常に微々たるものと言わざるを得ません。

他方、学資保険であれば「返戻率(へんれいりつ)」の高い商品を選べば元本の105〜110%程度にあたる額を満期で受け取ることになる可能性もあります。教育費を少しでも多くするために、ただ貯金するのではなく「運用」したい人にも学資保険はおすすめと言えます。

学資保険に入るデメリット

学資保険に入るデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

元本割れのリスクはある

その商品の返戻率によっては、支払った保険料より少し多めに受け取る可能性のある学資保険ですが、実は元本割れしてしまうリスクもはらんでいます。日本経済新聞が2019年3月に掲載した「教育資金の積み立て術 2割を分散型投信、残りを預金」の記事には、下記のように書かれています。

しかし長引く運用難を受けてその後、返戻率は大きく低下。元本割れが珍しくない。代表的なかんぽ生命保険の商品でみると、返戻率は94.8%(30歳男性が子の誕生時から18年間保険料を払い、満期金200万円を受け取る場合)。長年、保険料を払ったにもかかわらず5%損する計算だ。

(引用元:教育資金の積み立て術 2割を分散型投信、残りを預金|日本経済新聞

その他、契約している生命保険会社が倒産してしまうというリスクもゼロではありません。保険料を支払って運用してもらう会社や商品は、よく考えて決める必要があります。

途中で解約すると損

家計や収入の状況が変化し「月々の保険料を支払えなくなった」などの理由によって、保険を途中で解約したい場合が出てくるかもしれません。しかし学資保険は途中で解約してしまうと、その際に手元へ戻ってくるお金は、これまで支払ってきた保険料の合計金額を下回る可能性が高いことを認識しておきましょう。

契約をする段階で途中で解約せずにいられるかどうか、先々のことも考えておく必要があります。