子供の視力低下の特徴や治療、対策について紹介! - cocoiro(ココイロ)

文部科学省が発表した「2017年度学校保健統計調査」では、視力1.0未満の小中学生の割合が過去最悪になったということが分かっています。小学校では32.5%、中学校では56.3%という高い割合になっているのです。今回は、子供の視力低下が社会問題となっている昨今において、その症状の特徴や治療、対策についてご紹介します。

(参照元:学校保健統計調査-平成29年度(確定値)の結果の概要|文部科学省

子供だからこそ気をつけたい視力低下

高学年ほどなりやすい?近視について

日本人の正常視力は、1.2~1.5と言われています。1.0あれば日常生活には困らないでしょう。近視とは、自分の力で目のピントを調節できずに、遠くがぼやけた状態になることです。近視の原因は、未だに特定されていません。ここでは、2つの特徴ある近視を紹介します。

学校近視

学校近視は、主に6~15歳の学校に通う子供たちが急激に近視になってしまうものです。目の使いすぎといった原因ではなく、子供の成長が原因と考えられています。がん軸の長さ、角膜や水晶体の屈折力などで目の屈折状態が決まります。子供の成長とともにこれらは変化していくため、近視の子供たちが出てきてしまいます。日本では、小学生の10人に1人が近視と言われています。中学生では、10人に2~3人の割合。また、アジア諸国での調査でも、マレーシアで7歳の子供の近視の割合が10%だったのに対して、彼らが15歳になると34%が近視になると報告されています。
この学校近視では、去年まで良かったのに1年間であっという間に視力が落ちてしまう、といった事態も起こります。眼科では、近視の進行度などを調べ、メガネ、コンタクトを使うタイミングや必要性まで判断します。

参考
5.高学年になるほど多くなる学校近視|公益社団法人 日本眼科医会

仮性近視

手元など、近くを長く見続けることで、ピントを合わせている筋肉が緊張状態になってしまいます。この緊張状態が続くと、筋肉が凝り固まって、遠くを見ても緊張状態のままで、ピントを合わせられません。北海道にある新井眼科クリニックによると、この状態を「仮性近視」と呼ぶといいます。近視ではない、もしくは軽い近視なのに、視力が悪いなどの症状があると、仮性近視の可能性が考えられます。眼科での治療としては、基本的に点眼治療で視力の改善や進行を遅らせます。ですが、点眼治療では、視力を改善できない場合もあり、最悪近視になるかもしれません。

参考
子どもの視力低下|新井眼科クリニック

近視は遺伝する?

メガネでの矯正が間に合わないほど強い近視には、遺伝的な影響も大きいと考えられています。台湾の研究では、環境要因を考慮したとしても、親が強度近視を持っていると子供が幼少期から近視を持つ傾向があることを報告されています。また、米国の研究では、両親ともに弱い近視の子供は、片方もしくは両方が近視ではない両親に比べ、近視になる割合が高くなっています。つまり、環境要因での近視をゼロとは言い切れませんが、遺伝する可能性も十分にあるのです。

参考
4.親が近視だと子どもも近視になるの?|公益社団法人 日本眼科医会

何歳まで近視が進行する?

およそ20代後半までは、近視が進行する可能性があります。そのため、その年齢までは年に1度眼科医による視力検査を受けた方がいいでしょう。近視の進行やメガネの度が合っているか、チェックしてもらうことが大切です。近視の強い場合、20代後半以降も、近視の進行する恐れがあります。最近では、パソコンやスマートフォンなど、仕事で手元を見る作業が増えたために、社会人になってから近視にある方や、弱い近視にも関わらず成人以降に近視の進行する可能性があります。