子供が保育園に通うようになると、園によっては「プール活動」が始まります。子供が初めてプールに入るという場合は、何を準備したらいいのか、どんなことに気をつけたらいいかと悩む親御さんも多いことでしょう。今回は、過去に発生したプール事故の事例や原因、プール活動の対策や準備などについて紹介します。
もくじ
プールで起きうる事故について知ろう
テレビでプール事故などのニュースを耳にすると、プールでおきうる事故の可能性を考え、不安になる人も多いでしょう。プールが原因でけがをすることもありますし、死亡事故の事例もあります。プールにはさまざまな危険が潜んでいるのです。まずは、プール事故の主な原因を、過去に発生したプール事故の事例と対策とともに紹介します。
溺死事故の事例も
2017年に埼玉県の保育園で、プール中に園児が死亡する事故が発生し、大きく報じられました。監視員が目を離した間の事故だったことから、保育園での安全管理の課題が浮き彫りとなりました。
事故は昨年8月24日午後3時半すぎ、同市緑区の私立認可保育所「めだか保育園」のプール(縦6メートル、横4・7メートル、深さ70~95センチ)で発生。赤沼美空(みく)ちゃん(当時4)がうつぶせで浮いているのが見つかり、翌日、死亡が確認された。
(中略)
捜査関係者によると、県警は保育士が園児らの監視に専念する義務があったのに怠り、約3分間目を離したことが事故につながったと判断。一方、園長は、プール遊びの際に監視する保育士を1人しか配置していなかった点が、国のガイドラインに反しており、安全管理上の義務を怠ったとみている。
(引用元:プール4歳死亡、保育園長ら書類送検へ 監視に過失疑い|朝日新聞デジタル)
プール事故の主な原因
プール事故というと、一番怖いのが溺死ですが、ほかにもけがなど、さまざまな危険が潜んでいます。プール事故の主な原因としては、プールの飛び込み時のけがや、排水溝への吸い込み事故などがあります。
溺水や飛び込みによる事故
「溺水」とは、気道に水が入り、窒息してしまうことをいいます。死亡事故につながりやすく、溺れているときは声が出せないことも多いため、そばに人がいても気付かないというケースもあるようです。
また、仮に溺れかけて助かったとしても、肺に水が入ってしまった場合は、咳や発熱、疲労感などの症状が出ることもあるため、治療を受けずに放置してしまうと、呼吸困難を引き起こす可能性もあります。特に子供の場合は、病院でしっかりと処置してもらう必要があります。
飛び込み事故
プールに入る際に、プールの底や壁に体を強く打ってしまうと、けがにつながります。大人が目を離した間に子供がプールに飛び込んでしまい、けがをしてしまうケースも少なくないといいます。近年では溺水事故に備えようと、プールの水位を低くしていることがあるため、それが災いして飛び込み事故につながるケースがあるよう。注意が必要です。
排水溝の吸い込み事故
小さな子供はビニール製のプールで水遊びをする場合もありますが、保育園に設置されているプールに入る場合は、プールの底にある排水溝の吸い込み事故にも注意が必要です。2006年には吸い込み事故により女児が死亡する事故が発生しています。これをきっかけに現在は管理が徹底されてきていますが、特に子供の場合は、排水溝に吸い込まれてしまわないよう、しっかりと注意を促すことが必要です。
プール事故の対策は監視員の配備
子供が安心してプール活動を行うための対策として、監視員の配備が各保育園で徹底されています。監視を行う者とプール内で指導を行う者をそれぞれ配置し、監視員の数が不十分でない場合はプール活動そのものを取りやめるべき、といったガイドラインが定められています。
参考
保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について|厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 保育課長