PTAは任意加入?非加入のリスクとPTA改革の方向性

子供の小学校入学を前に、保護者は大きな期待と一抹の不安を感じるものです。不安要素の1つにPTAを挙げる親も少なからずいます。子供の小学校入学と同時にほとんどの親がPTAに加入しますが、そもそも加入しなくてはいけないものなのでしょうか?

任意団体なのになぜ?PTAで保護者が悩まされる問題

小学校入学と同時に自動的に入会?

PTAは法律上任意で参加する団体と位置づけられています。つまり、子供が小学校へ入学しても親が自動的にその学校のPTAの会員になるという訳ではなく、自らの自由意思で入会を決めます。

しかし、実際には任意加入の説明はあっても、全員参加が暗黙の了解になっている学校が未だに多いようです。

未就学児向け説明会でPTA会長から簡単な説明はあったけど「皆さん、ご参加頂いています」と全員が入会することを前提としている印象でした。先輩ママが「以前は参加について説明すらなかった」とは言っていたので、これでも進歩しているらしい……(Nさん)

(引用元:PTAは任意加入、というけれど…… 入らないとどうなるの?|laxic

説明会でPTAについて資料が配付され、副会長が活動内容を発表。話の途中、何度も「お子さんのため」「子どもと学校のため」を繰り返す。子どものためという看板を振りかざされると、入らざるを得ないというか、入らないといけない圧をすごく感じます。(Kさん)

(引用元:PTAは任意加入、というけれど…… 入らないとどうなるの?|laxic

一方で、PTAの任意参加の原則を徹底している学校も少しずつ増えてきています。同じ地域でもPTAの運営方法は学校ごとに異なります。同じ学区の先輩ママに、PTAの様子を聞いてみましょう。

役員選出

多くの学校で小学校6年間のうちに1回はPTA役員をすることが慣例になっています。学年の初めに行われる学級懇談会は、本来担任の先生と保護者の交流の場です。しかし、実際にはすぐにPTA役員選出が始まることも珍しくありません。

役員が決まるまで会議が続くため、一部の保護者は役員選出が始まる前に帰ってしまい、残った保護者が引き受けざるを得なくなったり、逆に欠席者に役員を押しつけてしまうなど、年度初めから禍根を残す会議になることもあります。

また、公平を期すためにくじ引きやポイント制を採用しているPTAもあります。しかし、PTAは本来参加したい人が参加する活動です。くじ引きやポイント制は、任意団体としてのPTA本来の姿を逸脱した制度と言えるでしょう。

「誰のため?」と疑問になる無駄な仕事

PTAは、子供たちの健全な育成のために活動する団体です。しかし、現実には本来の目的からかけ離れた仕事が数多くあります。例えば、講演会を企画したものの出席予定者が少なく、委員が強制参加させられたり、夜間に子供に留守番をさせて会議に参加しなくてはならない、など。いったい誰のための活動なのか疑問に思う人も多いでしょう。

入る?入らない?本当は任意加入のPTA

3つの選択肢

PTAは任意加入が原則です。つまり、保護者はPTAに入会するかどうか決める必要があります。ボランティア制を採用している学校や、保護者の負担軽減を実現しているPTAなどもありますが、旧態依然の強制的な活動を行っているPTAの場合は、入会するかしないか難しい判断となります。

その場合、保護者の選択肢は3つあります。

  1. PTAに参加し、必要最低限のことをする。
  2. PTAに積極的に参加し、改革を断行する。
  3. PTAに入会しない。

1の選択肢が最も楽な選択肢と言えるかもしれません。本当は改革した方が良いと思っていても、とりあえず慣例にのっとり、することはして自分の任期を全うするやり方です。

2の選択肢は相当の勇気と労力を要します。積極的に活動している現役員の抵抗に合うかもしれません。しかし、誰かが改革の旗を振れば支持者もおのずと集まってくるでしょう。

3の選択肢は強い意志が必要です。非加入の選択をした親に、役員が複数で「子供のために」と説得する学校もあります。PTA主催イベントなどの際には、ほかの保護者から「PTAに入会していないこと」を批判的な目で見られることもあります。

PTAに入会しないとどうなるのか?

批判を受けることを覚悟の上でPTA非加入を選んだ場合、どんな不都合が生じる可能性があるのでしょうか。

  1. PTA主催の行事の際、実費での支払いを求められる可能性があります。また、求められなくても保護者自ら実費支払いを申し出る場合もあります。
  2. PTA会報を受け取れない可能性があります。
  3. PTA会費から支給している道具箱や卒業記念品、学芸会の衣装などをもらえない可能性があります。

2、3に関して、PTAは本来その学校の子供に奉仕するのであって、PTA会員の子供のみに奉仕する団体ではないとの批判があります。

PTA改革の方向性

組織改革~入会と活動の自由~

まず、保護者に対して任意加入の原則を説明した上で入会の可否を聞くことが改革の第一歩となります。入会した後も、活動に参加するかどうかは自由に決められる体制にする必要があります。

「入会の自由」と「活動の自由」を実現するためには、PTA正副役員と各委員正副委員長から構成される「組織ありき」の体制を見直す必要が出てくるでしょう。

活動の簡素化・効率化

そもそもPTAは何のためにあるのでしょうか。日本PTA全国協議会は、以下4点を挙げています。

  1. 学校と家庭の橋渡し
  2. 学校支援ボランティア
  3. 学校運営の監視と相談役
  4. 交通安全対策、いじめ防止、薬物乱用防止など地域ぐるみの活動

活動の棚卸しを行い、PTA本来の目的に立ち帰って簡素化を実施しましょう。また、ITをうまく利用して仕事の効率化を図ることも大切です。