ハサミと英語
「ハサミ」の英語表現をいくつかご紹介します。ハサミは英語で「scissors」。発音記号は、「sízərz」で「シザーズ」と読みます。ハサミ1丁に対して、2枚の刃があるので複数形を使います。英文で使うのであれば、「He has a pair of scissors.」。口語表現では、「He has scissors.」のような表現でもかまいません。
ハサミを使う動作表現もいくつかあります。
・「ハサミで~を切る」は、「cut ~ with scissors」
・「ハサミで~を切り落とす」は、「trim off ~ with scissors」
・「ハサミで~を小さく切る」は、「cut ~ into small pieces with scissors」
ちなみに、「馬鹿と鋏は使いよう」を英語で表す場合、近い意味合いで
「Praise a fool, and you may make him useful.」
という表現があります。
ハサミと芸術
ハサミで作る芸術作品として有名なのは「切り絵」です。切り絵は、紙とハサミを使って作り上げる作品。伝統工芸品として世界各地で発展してきました。2009年には、世界無形文化遺産に登録されています。日本では、祭事などで神域を飾るために白い和紙で切り絵を作ってきました。
伝統工芸においては、「伊勢型紙」といった染め物の型紙として、型地紙に彫刻刀で彫る技術も生まれています。2015年には、スイス国立博物館で切り絵展を行い、100点以上を展示されました。現代から200年前以上の作品も展示され、作家の技術力や表現力で見る人を魅了しました。
ハサミと海外旅行
海外旅行でハサミを現地に持っていきたいという方もいるでしょう。しかし、国際線での機内持ち込みは禁止されています。預け入れの荷物に入れておかないと、手荷物検査場で破棄することもあります。万が一、機内にハサミなどの刃物を持ち込んだ場合、法律違反で50万円以下の罰金を科せられる可能性も。問題の処理までに時間がかかり、飛行機の遅延や血行にもつながりかねません。ほかの乗客や空港に迷惑がかかるため、荷物の中身を事前に確認しましょう。
ちなみに、眉毛の手入れや裁縫用に使う小型のハサミであれば、機内持ち込みできます。「刃先6cm以内で著しく鋭利でないこと」が条件です。しかし、帰国時に現地の空港の基準にそぐわない可能性もあるため、必要のない限りは手荷物ではなく預け入れ荷物に入れておきましょう。
ハサミと伝統工芸
伝統工芸として発達してきたハサミもあります。例えば、総火造の裁ち鋏は、江戸時代から続く伝統技法で作られています。鉄板と鋼を1,000度の炎で熱しながら、鍛冶の金づちで作り上げます。
この伝統製法は、東京都の伝統工芸品指定を受けています。日本刀に近しい切れ味や使用感、疲れにくさ、美しさを兼ね備えた逸品です。ハサミの歴史は長く、こういった伝統工芸品は世界各地に存在しています。
おわりに
古来より私たちの生活に紐づいていたハサミ。ハサミの意味や由来だけでなく、歴史や芸術、工芸品、ことわざ、夢占いなどについて知ることによって、ハサミの見方も変わってきますね。ハサミをきっかけに、知見を広げる機会にしてもおもしろいかもしれません。
参考
日本に現存する最古の『握り鋏』は北条政子の化粧道具|ニッポン放送
鋏(きょう)とは|コトバンク
【夢占い】ハサミの夢に関する13の意味とは|スピブレ
馬鹿と鋏は使いよう|故事ことわざ辞典
間違えやすい!「ハサミ」の英語|5つの使える表現も習得|Myスキ英語
「切り絵」の世界にようこそ! 歴史と5人の注目アーティスト|accent
機内持ち込みできる?海外旅行の持ち物にハサミを入れる際の注意点|エアトリ
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