音大と一般大学の間には深く澄んだ川が流れている。自信がなくて辛いならもうその余地もないほどの試練に飛び込んでみよう - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

こんにちは。おかかです。
私は音楽大学(バイオリン専攻)を2年で中退した後、再受験して一般の大学に入り直しました。

今回は、2つの大学生活を経験して感じたことや、気付いた違いについて書いていきます。

まえがき:「音大」もいろいろ

最初に説明しておきたいことがあります。この記事では「音大」と「一般の大学」という分け方をしていきますが、実は音楽大学は学校によってかなり特色が違います。
もちろん、音大に限らずどの大学にも特徴があって、校風やカリキュラムが違うのは当たり前ですが、音大の場合はその差異が一般の大学よりも数段大きいです
ここでは便宜上「音大」とひとくくりにして書きますが、その内容が全ての音大に共通しているものではない、ということを忘れずに読み進めてもらえると嬉しいです!

音大での人間関係の特徴

友達が、仕事仲間でもある

一番わかりやすい音大ならではの特徴は、同級生=同業者だという点だと思います。

卒業後に音楽家の道に進まない人は、私の通っていた音大ではごくごく一部です。

つまりほとんどの場合、付属の音楽高校で出会った同級生たちと、高校・大学時代が終わっても仕事仲間として関係性が続いていくのです。在学中から仕事をするため、友達との関わり方が音楽家としての方向性にも影響してきます。

コミュニティが狭い

クラシック音楽を専門的にやっている人の数からしても、生計を立てていける人の数からしても、とにかくコミュニティは狭いです。

メリット:一生涯の仲間ができる

私は経験がないのでただの予想ですが、体育会の部活の関係性と少し似ているのではないかな、と思います。とにかく毎日同じメンバーと顔を合わせて、同じ方向に向かって切磋琢磨していく日々。音大では専攻の楽器以外にも、語学や音楽理論や曲の書き取りなどの少人数授業をたくさん受けます。レッスンや本番などのストレス環境をみんなで乗り切っていくので、実際に弾くのは一人ずつだとしても、大きな試験の後は異様な一致団結感が生まれます。

デメリット:縁を切れない

大学と関係のない仕事の現場でも、たいてい全員が知り合い。学外の演奏会のために集められたオーケストラのメンバーが、結局ほとんど大学の友達だった、ということも少なくありません。全体的に仲が良くて技術が伴っていれば天国、ギスギスしていて良い音楽にもならなければ地獄です。

全員が今までもこれからもその道で生きていくので、もしトラブルが起きても次の現場も顔を合わせなければなりません。大学時代の友達同士の喧嘩が仕事量にも反映されると思うと、やはり特殊な環境だと感じます。(ちなみに、私は喧嘩をしたことや、気まずいオーケストラを経験したことはありません!ラッキーです。)

上下関係がゆるい

実技は、特定の先生について学んでいきます。その師匠と弟子的な関係はかなり緊張感があり、失礼のないようにかなり気を張っている人が多いと思います。

その上下関係の疲れによる反動なのか、ただ単に非常識なのかわかりませんが、高校・大学内の先輩後輩の上下関係はほぼ皆無です。私も音大にいたころは、当たり前のように高校生とお互いタメ口で話していました。