子供が生まれたときから幼稚園のお受験を考えていたという方はあまり多くはないでしょう。株式会社イオレの『受験に関するアンケート調査』(2017年9月30日)によると「幼稚園受験を考えている」と回答した親は、わずか1.1%にとどまっています。
しかし、子供が成長するにつれてママ友や先輩ママからの話を聞いて、早い段階から幼稚園のお受験を進めることにメリットがあると考えるようになる人もいます。今回の記事では、幼稚園のお受験について考え始めたときに必要な情報、受験の準備、メリット・デメリットなどを整理してお伝えいたします。
もくじ
幼稚園のお受験とはどんなものか?
幼稚園のお受験は「子供3割、親7割」と言われます。3歳前後の子供に対してペーパーテストなどの学力を問う試験はありません。幼稚園のお受験は、親にとっての受験なのです。
面接が大事
面接の際に、幼稚園側から子供に直接尋ねる質問はそれほど多くはありません。子供を面接する場合には、その子の適性や性格を観察してクラスを決める際の参考程度にとらえているようです。
むしろ、幼稚園の面接で大切なのは親です。特にパパは「仕事でも面接に慣れているので大丈夫」と、あまり準備をしないで臨むこともあるようです。しかし、名門幼稚園の面接は、対策をせずにその場で答えられるほど甘くはありません。夫婦で幼稚園お受験の対策教室に通い、模擬面接などの練習をすることも必要になる場合もあります。
面接をしている瞬間だけではなく、当日の親子の振る舞いのすべてが選考の対象となることも忘れないでください。
パパとの連携が必要
幼稚園のお受験に意欲があり、調査や準備に時間をかけるのはどちらかと言えば「ママ」の側であることを多いようです。その分、「パパ」との間に温度差が生じることもあります。幼稚園へのお受験では、幼稚園側は親の意欲や教育方針に注目します。どちらかに、あまり意欲が見られない場合は受験に不利になることでしょう。
特に家庭教育で大切にしていることや、どんな子供に育ってほしいかなど、親としてのプランは2人が一致して答えられるようにしておきましょう。夫婦で考え方が一致しているかどうかが問われるため、日ごろから意見交換をする時間を持つことも大切です。
幼稚園のお受験にはどんな準備が必要か
幼稚園のお受験で特に準備が必要なのは親たちです。3歳くらいの子供が、特定の幼稚園へのお受験の意志を強く持つことも、将来の進学プランを描くこともできないからです。そのため、幼稚園のお受験に成功するかどうかは、夫婦がどれほど足並みをそろえて準備しているかどうかにかかっているのです。
準備はいつから始めるか?
幼稚園により、具体的なスケジュールは違いますが、大まかな流れを知っておくといつから準備を始めていいかが分かるでしょう。
幼稚園の絞り込みは、8月、9月から始めなければなりません。口コミや雑誌などで幼稚園の情報を集めるとともに、実際に幼稚園の見学なども行うのもこの時期です。なぜなら、多くの幼稚園では10月に入園説明会などを開くからです。
入園説明会では、幼稚園の教育方針や、年間の費用なども分かります。入園説明会で入園願書を渡す幼稚園も少なくありません。この時点で、すでに、いくつかの候補となる幼稚園を絞って入園説明会に行く必要があります。
11月には入園願書の受付や面接などがあり、幼稚園のお受験は本格的に進み出します。このことを考えると、夫婦の話し合いは少なくとも半年前から行う必要があるでしょう。本格的な幼稚園のお受験シーズンに入る時期までに夫婦の足並みがそろうようにしてください。
受験する幼稚園をリサーチする
将来の進学などを見越して私立幼稚園を受験するなら、その幼稚園の特色をしっかり理解しておくことが必要です。
運営母体を調べる
幼稚園はその運営母体により、教育方針や幼稚園のカラーなども大きく異なっています。学校法人の場合は、小学校から大学まで一貫した教育方針を持つ幼稚園があります。宗教法人の場合は、キリスト教系か仏教系か神道系かなどの違いも、子供の成育環境には大きな影響を与えるでしょう。個人で運営する私立幼稚園の場合は、良くも悪くも園長先生の考え方が大きな影響を及ぼすのです。
家庭の教育方針と合った幼稚園を選ぶようにしましょう。子供が伸び伸びと過ごせる環境をリサーチできるのは大切な親の役目です。
首都圏のエスカレータ式の名門幼稚園
大学までエスカレータ式に進学していけることを重視するなら私立大学付属系の幼稚園、「青山学院幼稚園」「学習院幼稚園」「東洋英和幼稚園」「日本女子大学付属豊明幼稚園」「白百合学園幼稚園」などがおすすめです。
また、大学付属ではありませんが、エスカレーター式の名門幼稚園として「暁星幼稚園」「雙葉小学校附属幼稚園」「田園調布雙葉小学校附属幼稚園」なども有力な選択肢でしょう。国立系では「お茶の水女子大学附属幼稚園」「東京学芸大学附属幼稚園竹早園舎」などが有名です。
しかし、附属幼稚園の中には、無受験で上位の学校へ進学できることもあれば、外部受験者と同じように入学試験があるところもあるため、幼稚園の傾向をあらかじめ調査しておく必要があります。
願書作り
入園願書は一般的にそれほど多くの情報を記入することはできません。そのため、間違いがないように、きれいな字で願書を書き上げることが重要です。そうすれば「しっかりした親御さんだ」と幼稚園側に認識してもらえるでしょう。
大切なこととして「志望動機」の欄には、幼稚園の方針に合った内容を書くようにし、それを面接の場でも述べられるようにしましょう。そのためには、提出した入園願書のコピーをとっておくことが大事です。
願書の先着順で合格者が決まるという幼稚園もあるため、深夜から並ぶことが必要になる場合もあります。いずれにしても、早めの願書の提出は、親の熱意を表すものになります。無意味に提出を遅らせないようにしましょう。