なぜ高専は留年率が高いの?
赤点が60点未満と厳しい!
高校の赤点となる点数は一般的に30点ですが、高専では倍の60点(一部、学校によって例外的に50点のケースもあり)。実はこの点数、しっかり授業を受けていれば問題なく取得できる点数とされています。集中力不足で普段の授業をないがしろにしたり、テスト勉強をしなかったりすると、点数獲得はとたんに難しくなります。
救済措置を受けるのにも条件がある
高校では赤点取得者に向けた、追試という救済措置があります。高専の場合は、追試は病気、けが、忌引などの正当な理由で試験が受けられなかった生徒が対象となります。赤点取得者が対象となる再試験は、あくまで教員の任意によるもの。真面目に勉強をしている生徒に与えられる救済措置です。欠席が多かったり、提出物を出していなかったりすると再試験のチャンスが与えられないことがあります。
出席日数も重視される
試験以外に重視されるのが出席日数です。旭川高専によると、以下のように定められています。
各科目の履修認定には,科目ごとに総授業時間数の4/5以上を出席していることが必要です。出席時間数が4/5未満の場合は,その科目の履修は不認定となり,評定は0点となります。また,総授業時間数の2/3以上出席していない科目が1科目でもあると,その学年全ての科目の履修が不認定となり,進級できません。
(引用元:旭川高専Q&A(Q-3-4)|独立行政法人国立高等専門学校機構旭川工業高等専門学校)
このほか、通常の授業だけでなく、学校行事も重視されるので注意が必要です。
レポート提出は必須
高校と大きく違う点のひとつに、レポート提出の多さが挙げられます。基礎科目以外にも、専門科目や実験の結果報告書など、レポートとして提出しなければなりません。特に難しいとされているのが、実験の結果報告書。提出期限間際になっても結果が出ないというアクシデントも少なくないようで、苦しめられたという経験談が多く見られました。
しかし、どんな理由であれ、提出期限を守らなかったり、未提出だったりすると、テストの成績が良くても単位取得不可となります。
高専を留年する人の特徴
1)学校にこない
留年する人の大多数は出席状況が悪いのが要因とされています。欠席の理由として、アルバイト時間の過多で生活リズムが乱れる、本人の意欲のなさなどが指摘されています。
2)ゲームや趣味、部活動などに夢中になる
授業に出席はしているものの、別のことに熱中してしまい勉学がおろそかになるパターンです。高校と比べて自主性が高いため、趣味と勉強のバランスが崩れる生徒が少なくありません。
3)入学時の目的意識を失った
入学時に関心を持っていた分野ですが、いざ学び始めると想像と違った……というケースです。専攻している分野への興味を失った結果、勉強から遠ざかるということもあるようです。