職場体験、実際にはどんな事をするの?
それではここからは、実際の職場体験ではどのようなことをするのかを具体的に例を挙げて確認していきましょう。職場体験で経験できるのは、どのようなことなのでしょうか。
例1:楽器店
ピアノやエレクトーンを習っていたり、吹奏楽部に所属している子の職場体験には楽器店がおすすめです。
楽器店では開店前のあいさつの練習に始まり、日常業務として掃除や整理整頓、ポケットティッシュに挟むチラシを折る、などの簡単な作業を体験できるでしょう。
あいさつひとつをとっても、相手がお客様だと意識や姿勢が普段とは違ってきます。
例2:スポーツクラブ
スポーツ部に所属していたり、身体を動かすのが好きな子には、スポーツクラブはいかがでしょうか。
スポーツクラブでの体験では、あいさつのほかにも運動機器の清掃やお客様が使用した用品の消毒、タオルや飲料水の用意など身の回りのことをサポートする業務が多いでしょう。
実際にお客様とも接する機会も多いので、接客業の魅力やコミュニケーションのとり方、声のかけ方を学べる機会も多いです。
職場体験はその後の職業選択に影響を与えるのか
ここまでは中学生の職場体験の現状や必要性や、職場体験の現状、実際の体験内容などにスポットを当てて見てきました。
それでは、中学生の時期に実施する職場体験は、実際に子供たちの記憶に残り、その後の職業選択に影響を与えるのでしょうか。
体験日数が多いほどその後の職業選択に影響あり
2017年9月に上越教育大学研究紀要に掲載された「中学生における職場体験が職業選択や職業生活に与える影響」によると、さらなる研究が必要としつつも、体験の日数が多いほどその後の職業選択に影響があるとの結果が示されました。
職場体験日数1~2日間、3日間、4~5日間ごとの相違を検討したところ、体験に数が多いほど職業選択への影響、現在の職務を遂行する上で職場体験での経験が役立ったと感じている者が多く、1~2日間の職場体験においては職業選択への影響、現在の職務を遂行する上で職場体験での経験が役立ったを感じていない者が多いことから、上越市内の全ての中学校が実施している5日間の職場体験は、職業選択や職業生活に一定の効果があるものと考えられる。
(引用元:中学生における職場体験が職業選択や職業生活に与える影響|上越教育大学)
約1週間の職場体験で、実際に働く人たちを観察し、時には自分もその一部を担うことで「働く」ということの実感が得られ、よりイメージがしやすくなるのでしょう。
職場体験は社会人になってからも役に立つ?
次に、職場体験はその後社会人になってからも役に立つのかどうかについても考えてみましょう。こちらも中学生のときに職場実習をしたという社会人を対象に、アンケートを取った結果をご紹介します。
本研究の結果から上越市内で中学時代に職場体験を経験した上越市内の事業所に勤務する社会人において、約3割の者が、中学時代の職場体験がその後の職業選択に影響を与えたと感じており、約4割の者が、中学時代の職場体験による経験が現在の職務遂行に役に立っていると感じていたことから、中学時代の職場体験がその後の職業選択や職業生活に一定の影響を与えていることが明らかになった。
(引用元:中学生における職場体験が職業選択や職業生活に与える影響|上越教育大学)
3割から4割の社会人が、中学時代の職場体験が現在の自分に影響を及ぼしていると考えていますので、決して少ない数字ではありません。
これから迎える職場体験で、良い職場や仕事にめぐり合えたなら、あなたのお子さんの人生に影響を与える可能性は十分にありそうです。
職場体験で理想の自分をイメージしよう!
職場体験は社会的なルールやマナーを学べるだけではなく、子供たちが自分自身を見つめ直すきっかけにもなります。
どのようなジャンルの職業に興味があるのか、どうしてその職場を選んだのか、どんな仕事をしてみたいのか、などを自問自答することで理想の自分をイメージし、働くとはどういうことなのか、自分に合う職業とはなどについて、この機会に親子で話し合ってみるのもいいでしょう。
まとめ
中学生の職場体験についてご紹介しました。地域ぐるみで子供たちを育てていこうという取り組みには、様々な立場の人たちの努力や善意が欠かせません。
体験を受ける側の中学生も、この機会にしっかりと自分を見つめ直し、実りのある職場体験実習となるようにしましょう。
参考
職場体験|ウィキペディア
中学生の職業体験実習!生徒・保護者・学校・受け入れ先の悲喜こもごも|NEVERまとめ
職場体験中の中学生が指を切断|知らべえ
中学生職場体験|YouTube