毎年4月1日は、エイプリルフール。「嘘をついてもいい日」と知ってはいるものの、その意味や由来はご存知でしょうか。エイプリルフールの起源は複数存在するため、どの説をとるかによっては「嘘をついていいのは午前中限定」という少し違ったルールもあるようです。今回は、エイプリルフールの意味や由来、起源、日本での浸透状況についてご紹介します。
もくじ
エイプリルフールの由来
そもそもエイプリルフールとは
エイプリルフールの意味を直訳すると「四月のバカ」。そして、エイプリルフールは4月1日に嘘をついても許される日です。つまり、エイプリルフールとは4月1日に嘘に騙された人たちのことをやゆしているようです。海外では個人だけでなく、企業もエイプリルフールのネタ作りに趣向を凝らしています。ユーモラスな内容から、驚きの内容までさまざまです。みなさんも一度は、嘘をついてだました、嘘をつかれて信じてしまった経験があるのではないでしょうか。
起源には諸説ある
エイプリルフールの由来には、諸説が存在しています。
ノアの箱舟説
キリスト教旧約聖書で登場するノアの箱舟。人類の堕落を見て怒った神様が、大洪水を起こしてしまいます。ノアという人物が、神様の指示で箱の形にした大船を造って、家族や動物たちを乗せて、人類や動物を守ったというのが「ノアの箱舟」のストーリーです。
この箱舟に乗っているなか、ノアは陸地を探すためにハトを放ちますが、何も見つけられずに戻ってきます。その日が偶然、4月1日でした。このエピソードから嘘をついていい日としてエイプリルフールが生まれたという説です。
インドの修行僧説
インドの修行僧たちは、春分の日から3月末まで悟りを開くために厳しい修行を行います。1週間を経て「少しでも悟りに近づけたのではないか」という期待とともに迎えた翌日が4月1日でした。戻ってきて早々、現世のことに迷いを感じたそうです。
「これでは、厳しい修行をこなした意味がない」。このことから4月1日を「揶揄(やゆ)節」と呼ぶようになり、さらに人に無駄をさせ、からかうエイプリルフールの発端になったという説です。
シャルル9世説
16世紀、当時のフランスでは新年を3月25日として、4月1日まで春の祭りを行うのが慣習となっていました。しかし、突如シャルル9世は新年を1月1日にすると発表します。驚いた市民は、4月1日を嘘の新年としてバカ騒ぎをして抵抗しました。怒ったシャルル9世は、片っぱしからバカ騒ぎしている市民を捕らえ、処刑してしまったのです。そのなかには、幼い少女も含まれていました。市民たちはその事件を嘆き、風化させないために、4月1日に毎年バカ騒ぎを続けて、嘘をついて周りをからかうエイプリルフールを作ったという説です。
魚説
こちらも同様にフランス。フランスでは、4月1日を「Poisson d’Avril(プワソン・ダブリル)」と呼んでいます。「4月の魚」という意味です。フランスでは、4月にサバが大量に釣れます。簡単にどんどん釣れてしまうサバのことを「バカな魚」と呼んでいます。サバと同じように、簡単に嘘にだまされる、引っかかってしまう人たちをからかってエイプリルフールと名付けたという説です。ちなみに、子供たちの間では、魚の形にした紙を相手の背中にそっと貼りつけたり、魚の形をしたお菓子を食べたりするようです。
これらの4説は、どれも明確な根拠を持っているわけではありません。エイプリルフールらしく、由来も嘘まみれなのかもしれませんね。