毎年春先になると、装飾が施された卵やウサギをモチーフとした飾りが店頭に並び「イースター」という言葉をよく耳しますが、いったいイースターとは、どんなものなのかご存知でしょうか。今回は、3~4月にかけて行われるイースターの意味や起源、お祝いの方法についてご紹介します。
もくじ
イースターとは
イースターという言葉を聞いたことがあるでしょうか。毎年春になると、海外ではイースターホリデーと呼ばれる休暇を取る人も多く、家族で旅行をするなど、春を楽しむイベントとして親しまれています。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、近年ではイースターのシンボルともいえる、イースターエッグやウサギなどをモチーフとした雑貨が店頭に並ぶことも増えてきました。それでは次に、イースターとは、いったいどのような意味があるのか、イースターはいつのことを表しているのかについて、詳しく紹介します。
イースターの意味
イースターとは、「復活祭」とも呼ばれており、イエス・キリストの復活を祝う祭りとして、海外では数々のイベントが行われています。イースター(復活祭)は十字架にかかったイエス・キリストを神が復活させたことを記念する祝祭日です。イエス・キリストの十字架と復活がユダヤ教の過越の祭(イスラエルのエジプトからの解放を記念する祭)の時期と重なっており、キリスト教会はユダヤ教の祭に対して、「罪と死からの解放」としてキリスト者の過越の祭として当初から祝ってきました。復活祭のことを「イースター」と呼ぶのはゲルマン神話の女神オスタラに由来するともいわれますが、はっきりしたことはわかりません。
(引用元:イースターについて|弓町本郷教会)
イースターとは、十字架にかけられたイエス・キリストが、3日後によみがえったことを祝う復活祭で、キリスト教においては、クリスマス・ペンテコステ(聖霊降臨祭)と並ぶ三大祝日とされています。キリストが復活したのは日曜の早朝といわれていることから、キリスト教では日曜に礼拝を行うようになり、現在ではそれをもとに日曜日が休みの日として設定されるようになったといわれています。
キリスト教にとってクリスマスよりも重要な日?
キリストの復活を祝うイースターは、キリスト教信者にとっては、クリスマスよりも重要な日とされています。キリスト教が誕生し、クリスマスを祝うまでには長い歳月を要したといわれていますが、イースターは三大祝日の中でも早くから存在していたといわれています。しかし、クリスマスと違い、イースターは毎年日付が変わるのが特徴です。昔はイースターの日をめぐって論争が起こり、325年のニカイア総会議といわれる話し合いにより、一定の日が定められるようになったといいます。
2019年のイースターはいつ?
イースターは、毎年日付が変わると前述しましたが、それには月の満ち欠けが関連していることが理由といわれています。
キリストはユダヤ教の大祭典である「過ぎ越しの祭り」の日にあわせてユダヤの首都エルサレム入りし、そこでとらわれて磔刑にかけられたため、キリストの受難日・復活と「過ぎ越しの祭り」はほぼ重なります。
この「過ぎ越しの祭り」はニサンの月(現在の暦で3月から4月にかけて)の14日の満月の日と定められていました。西暦325年にニケア公会議と呼ばれるキリスト教徒の最初の会議が行われ、このとき復活祭をいつと定めるかが論争されました。ユダヤ教の流れを汲む教派は過ぎ越し祭りと同様満月の日とすべきとし、それに反対する教派は主日、つまり日曜日にこだわり、対立が深まりました。そのため両者の主張の妥協が図られて、「春分の日」後の最初の満月の次の主日(日曜日)、とされたのでした。
(引用元:今更聞けない? キリスト教最大の祝日・イースターをじっくり解説|AERA dot. (アエラドット))
毎年変わるイースターの日付は、「その年の春分の日の直後に来る満月の次の日曜日」という、複雑な設定となっています。例えば、2019年の春分の日である3月21日から数えて次の満月の日は、4月19日となるため、2日後の4月21日が2019年のイースターの日となります。しかし、しかし、西方教会(カトリック・プロテスタント)と東方教会(ギリシャ正教・ロシア正教)によっては、日取りが大きくずれることもあるようです。