「読書感想文にあらすじは必要?」「あらすじは何をどのくらい書けばいいの?」などと、読書感想文の書き方に子供と一緒に頭を悩ませる親は多いのではないでしょうか。当記事では、読書感想文のあらすじの書き方の5つポイントとあらすじの書き方の例を3つご紹介します。
もくじ
読書感想文あらすじの役割
読書感想文にあらすじを入れないといけない、というルールはありません。しかし、あらすじを入れることには効果もあります。
読書感想文を読む人は、必ずしもその本の内容を知っているわけではありません。読書感想文の読み手が、「こんなお話なんだな」と分かるように、本の概要をあらすじとして読書感想文に入れてみましょう。あらすじを書くことで、読み手に感想文をより理解してもらえるという効果もあります。
読書感想文のあらすじの書き方5つのポイント
それでは、読書感想文のあらすじを書くポイントを5つご紹介します。
ポイント1:あらすじは全体の1割が目安
読書感想文は「感想文」がメインですので、あらすじは短く簡潔にまとめるのがポイントです。全体の1割程度を目安にしましょう。
■400字詰め原稿用紙2枚が課題の場合 → 4行前後
■400字詰め原稿用紙3枚が課題の場合 → 6行前後
■400字詰め原稿用紙5枚が課題の場合 → 10行前後(原稿用紙約半分)
読書感想文を書き終わったら、終始あらすじだけだった、ということがないよう注意しましょう。
ポイント2:あらすじはオープニングの後に入れよう
読書感想文のあらすじは、「ここに入れないといけない」というルールもありませんが、オープニング(書き出し)の後に続けて入れるとスムーズな流れになります。読書感想文を書くときに「何をどこに書いたらいいか分からない」という人は、以下のように4つに分けてまとめると、簡単に書くことができます。
- オープニング(本を選んだ理由やきっかけなど)
- あらすじ
- 感想(心に残ったことなど)
- エンディング(本を読んで自分の気持ちの変化など)
ポイント3:あらすじを5W1Hで整理する
あらすじのまとめ方のコツは、5W1Hを使って本の内容を整理することです。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(何のために)
- How(どのようにした)
これら5W1Hの質問の答えをまとめたものがあらすじとなります。6つ全てを書く必要はありませんが、「誰が」と「何を(した)」は特に大事な部分ですので、この2つを中心に本の内容をまとめます。自分の考えたことを文章にするのが難しい子供は、親が口頭で質問して答えを導き出してあげるといいでしょう。
ポイント4:あらすじは時系列で書く
5W1Hの答えがそろったら、次はそれらを時系列(起こった順)に並べていきましょう。本のストーリーの進行に沿って、道筋を立てながら話の内容を簡潔に説明します。例として、太宰治の「走れメロス」のお話の内容を時系列で確かめましょう。
時系列 | 出来事 |
---|---|
1 | メロスは王に意見し捕らえられた |
2 | 王はメロスの処刑を決めた |
3 | メロスは妹の結婚式に参列するため王に処刑の猶予を願い出た |
4 | 人間不信の王は、メロスの親友を人質に差し出すことで願いを受け入れた |
5 | メロスは親友との約束を守るため苦難を乗り越え、必死に走り続けた |
6 | メロスは約束の日没直前に王の元に戻った |
(読書感想文の本のあらすじの書き方|作例「走れメロス」|新聞と広告の向こう側より作成)
あらすじを上手にまとめるコツは、大胆に削ることです。詳しく書きたいところは、「感想」の部分に自分の感想を交えて書きましょう。
ポイント5:あらすじでネタバレしない
読書感想文のあらすじは、読み手の興味を引くように書くのがポイントです。ですので、主な場面は入れますが、結末は書かないようにしましょう。このことを意識して書いた「走れメロス」のあらすじの例を見てみましょう。
「走れメロス」のあらすじ
暴君ディオニス王の怒りを買ったメロスは、妹の結構式に参列するため、3日間の処刑の猶予を願い出る。人間不信の王は、親友セリヌンティウスを人質に差し出すことを条件にメロスの申し出を認めた。帰路、数々の苦難に遭いながらもメロスは、親友との約束を果たすため、命をかけて走り続ける。
(出典元:読書感想文の本のあらすじの書き方|作例「走れメロス」|新聞と広告の向こう側)
読書感想文を読んだ人が、自分もその本を読んでみたいと思うようなあらすじが書けるようにチャレンジしてみましょう。