空間認識能力を鍛えるとどうなる?鍛え方を調べました

立体を頭の中で動かしたり、2次元の地図や図面に描かれたものを3次元の情報として理解したりするのに必要な空間認識能力。生まれ持った状態から鍛えることはできるのでしょうか。鍛えるとどうなるのかや、鍛え方について調べてみました。

空間認識能力を鍛えるとどうなる?

空間認識能力を鍛えるとどのようなメリットがあるのでしょうか。子供が日常的に接する学校の教科から考えてみましょう。

球技が上達する

論文「バレーボール選手におけるワーキングメモリと空間認識の関係 | 日本バレーボール学会」によると、ラグビー・野球・バレーボールなどの「日常的に空間認識能力を活用してプレーをしているボールゲームの選手は、一般人に比べ、その競技特有の空間認識に関わる諸能力が有意に優れている」という傾向が見られるそうです。子供が球技をやっていてボールになかなか触れないなどの課題があるなら、空間認識能力を鍛えてみると上達するかもしれません。

理科の天体問題が理解できる

理科の天体の単元がなかなか理解できない、理解できないまま大人になってしまったという人は少なくありません。月の満ち欠けや、星がある時間に空のどの位置に見えるかなどは、頭の中で天体図をぐるぐると回して考える必要があります。

(参照元:中学校理科天文分野における空間認識能力の育成に関する研究 -念頭操作能力と視点移動能力を中心としてー | 広島国際大学

空間認識能力が高い子供は、上記の図の中にいる人の視点で頭の中の天体図を眺めたり、動かしたりすることができます。

算数の図形問題が得意になる

算数の図形問題を理解するためにも、空間認識能力は必要です。特に立方体や円すいなどの体積を求めたり、断面の面積を求めたりする問題では、「この角度に図形を動かして見たらどういう形になるのか」ということをシミュレーションできる必要があります。空間認識能力が高い子供はこれを頭の中で行うことができるので、テストなどのときに有利になります。

図工で遠近法が上手に使えるようになる

小学校高学年くらいになると、図工の時間に遠近法の使い方を習うようになります。空間認識能力が高い子供は、習った理論や基礎的な方法を自分のものとして取り入れ、立体感のある絵が描けるようになります。

社会科で地図が読める

地図が読めるようになるには地図記号などを覚えることも大切ですが、方向感覚や距離感覚も重要です。空間認識能力が高いと、地図という2次元から実際の地形や建物などの3次元を想像できるため、地図からより多くの情報を得ることができるようになります。また、頭の中でシミュレーションできると、地図をぐるぐる回さなくても読むことができるようになります。

空間認識能力の鍛え方


空間認識能力を鍛えるのは一見難しそうですが、日常生活の中でちょっと気をつけてみるだけで挑戦できる方法もあります。

空間言語を使わせる

「空間言語」というと難しそうに聞こえますが、身の回りの物事を言い表すための表現のことを指します。たとえば、サイズを表す「長い・短い・広い・狭い」など。また、形を表す「円・四角・三角・丸・長方形」や「丸い・まっすぐ・尖っている・曲がっている・鋭い」といった性質を表す表現が当てはまります。

子供が何か物について説明するときに空間言語を使わせるのはもちろんですが、親も子供に話しかけるときに意識して空間言語を使うようにするといいでしょう。

例えば、「片づけをしなさい」と言うとどこに何を片づけるのかがはっきりしません。「空き箱を古紙回収の袋に入れてね」「本を本棚にしまってね」「小麦粘土は電子レンジの隣にしまってね」などと、「どこに」「何を」を明確にする指示を出すと分かりやすくなります。さらに「大きい絵本は本棚の背の高い棚にしまってね」などと空間言語を付け足していくこともできます。

参考
Five easy ways to boost children’s spatial skills | THE CONVERSATION

ジェスチャーを使う

空間言語を使うときにジェスチャーを組み合わせると、子供は具体的な形や大きさ、動きをイメージしやすくなります。「丸くて大きな」と言うときに両手で円を描きながら喋ったり、「ひらひら」という言葉に手のひらをそよがせる動作を付け加えたりすることができます。

ブロック・パズルで遊ぶ

知育玩具としてもよく使われているブロックやパズルは、遊びながら空間認識能力を鍛えることができるツールです。お手本の真似をして形を作ってみると方向感覚が養われます。積み木で建物を作ろうとすると、ものの奥行きや高さについて考える必要が出てきます。