明星学園小学校の教育内容の特徴
自主編成した教科書
創立者の赤井米吉は、「教科書というのは、学者が書いて教師が使うというのではなくて、教師が子どもとともに作っていくべき物だと思う」と述べています。
授業では学園が自主編成した教科書を主に使用し、検定教科書を使用することは稀です。これにより、各教科の内容をより体系的に教えることができ、児童の現状に合わせた授業を進めることにも役立っています。
なお、「明星学園・国語部著」名義で刊行された『にっぽんご』シリーズは、同校教諭であった無着成恭・須田清・内藤哲彦・安野光雅らによって作られた、体系的な日本語指導の教科書です。これらの書籍は、のちの日本語教育にも大きな影響を与えました。
また、90年以上の実践研究に基づいた独自の教科カリキュラムがあり、これは教科間の関連性を考慮して構成されています。
体験・対話・表現
体験・対話・表現を大切にし、子供たちが自ら学び、さらに子供たち同士で学び合う教育を目指しています。
体験
「百聞は一見にしかず」の言葉どおり、手と頭、そして心を働かせてさまざまな事柄を認識し、抽象的な概念や法則の理解へと導きます。機織り機で布を織る、こうぞから和紙を作る、土器を作るなどのものづくり体験をします。
また、周辺の豊かな環境を生かし、井の頭公園でのスケッチ、玉川上水の散歩、井の頭動物園やジブリ美術館への訪問なども実施します。
対話
知識を詰め込み、答えを覚えるような学習ではなく、常に探求し続けるため、対話による学習を大切にしています。自分の言葉を使って相手に伝わるように話し、相手の言葉を受け止め、仲間とのコミュニケーションを深めます。対話により相互に意見を浸透させることを通じ、互いに学び合い、より本質的な理解につなげます。
表現
作文や朗読、絵や工作、運動などを通じて、さまざまな表現方法を学びます。
自然観察「みいつけた」では、自然に働きかけた結果として発見したことや心が動かされたことをノートにつづります。
日常的な授業でも、表現の楽しさを体験させることを大切にしています。
さらに、学習発表会、歌の会、朗読発表会、マット運動発表会など、たくさんの発表の機会が設けられています。
こうした表現活動の積み重ねによって、感じたことや考えたことを自然に表現することができるようになり、自分から積極的に動く姿勢が身につきます。
英語教育
1年次から週2時間の授業があり、日本人とネイティブスピーカーの外国人講師によるチームティーチングも採用されています。年齢に応じてlisteninig、speaking、talking、reading、writingの5技能を使う経験を重ね、実践的な英語力の構築を目指します。
5年生と6年生では、自ら学習方法を決めて「多聴多読」を行ったり、ネイティブの教師と1対1で対話したりします。
このほか、欧米やアジアなど世界各国からのゲストを迎えて他国の文化を学んだり、日本の文化を伝えたりします。さらに、希望者は英検ジュニアを受験でき、English Campや12日間のオーストラリア留学に参加できます。