目的機能による違い
幼稚園の管轄は文部科学省で、同省は幼稚園を「学校教育法」に基づいた「教育施設」と定義しています。「満3歳以上の幼児」「1日4時間程度の教育」「全園で3クラス以上」「一クラス当たり35名以下」といった条件を満たす幼稚園を、「認可幼稚園」として文部科学省が認めています。一方で、各園の特色を出すために、あえて無許可で運営する施設もありますが、その場合は、「〇〇幼稚園」といった名称を名乗ることができなくなります。
一方の保育園の管轄は厚生労働省。「児童福祉法」に基づいた保育を行います。厚生労働省は、保育の設備や職員数、教育方針をチェックして、条件を満たす保育園を「認可保育園」とします。一方で条件を満たせなかった保育園を「無認可保育園」とします。基本的に認可保育園の入園は難しくなっています。では、無認可保育園は許可を受けておらず危険なのかと言えば、そういうわけではありません。無認可保育園の方が、その保育園独自の特色を持っているのです。特色によって、子供の成長にプラスになる園も多くあります。保育園では、養護と教育の一体化を特徴としています。養護の面では、適切な食事や運動のできる環境を用意することが身体の発育や心の成長へとつながるでしょう。一方で、教育では、その子供の個性を重視します。
このように、幼稚園は文部科学省管轄の「教育施設」、保育園は厚生労働省管轄の「保育施設」という機能面で大きく異なっています。
教育内容の違い
幼稚園と保育園は、それぞれ主に2タイプに分けられます。
- 学習重視の幼稚園
幼稚園期間中に、ひらがな、漢字、計算、英語、音楽、工作などで教育に重きを置いている幼稚園です。設備や教育内容、教師レベルの充実している私立系附属幼稚園などは、こちらに含まれます。入園時に面接や選考を行っている場合があり、入園の準備が必要となるでしょう。 - 遊び重視の幼稚園
幼稚園で「野菜を育てて食べる」「自然と触れ合う」「屋外でよく遊ぶ」といった特色を持っています。クラスの学習より、子供がのびのびと成長できる環境を提供しています。
- 学習重視の保育園
こちらでは、英語やダンス、習字といったさまざまな教育を受けられます。保育園によっては、外部教室と提携して保育時間以外に学習の機会を提供しています。 - 遊び重視の保育園
「お遊び」に時間を割き、子供たちが元気に遊ぶことを優先してくれる保育園です。子供がのびのびと楽しく遊べるのは、学習重視で窮屈にならない良さがあるでしょう。
こういったタイプによる違いがあります。