文学部の志望理由、どう書く?しっかり学ぶためには大学研究も大切!

推薦入試・AO入試では必ず求められる「志望理由」。当記事では文学に焦点を絞り、子供が学びたい気持ちをきちんと言葉で表現できるようにするためのポイントをまとめました。

まずは現在についてまとめてみよう

大学生になると考えると、入学したら取りたい授業や読んでみたい本のことなどが思い浮かぶかもしれません。しかし、まず大切なのは今の自分を見つめ直すことです。

文学部に行きたい理由は?

どうして子供は文学部に行きたいと思っているのでしょうか。「読書が好き」というシンプルな理由の子供もいるかもしれません。また、文学部の中にある特定の専門分野に興味がある子供もいるでしょう。高校生の時点では、大学に入ってから学ぶ内容について詳しくある必要はないかもしれません。しかし、「どうして関心を持っているのか」についてはきちんと言葉にして説明する必要があります。

「読書が好き」なら、どのような作品やジャンルが好きなのか。どうして好きなのか。本を読むだけでなく、文学について学びたいと思ったきっかけは何だったのか。これから知りたいと思っていることは何か。シンプルな「好き」から、少しずつ問いを広げていきましょう。

文学部で学びたいことは?

子供の興味・関心を深掘りできたら、それを文学部で学ぶことでどうなるかについて考えてみましょう。志望大学にいる教員の専門分野や、開設されている授業一覧などをチェックすると、子供の関心に沿ってどのような授業を取り、どのような知識が得られるのか把握することができます。「自分の好きな作家はヨーロッパ出身なので、ヨーロッパ文学全体について知識を得てから作家について詳しく学びたい」など、具体的な希望を書くことができるでしょう。

志望大学、どうやって選んだ?

学びたいことを具体的に書くとき、「どうしてこの大学を選んだのか」について説明すると説得力が増します。「指定校推薦があったから」「偏差値的に妥当だから」などといった現実的な理由ももちろんあるでしょう。

しかし、同じくらいの学力レベルで入学できる大学の中で1つを選んだ理由は何だったでしょうか。「この教授の本を以前読んで感銘を受けた」「オープンキャンパスで見学した図書館が魅力」「集中して学べそうな環境が用意されている」など、志望校選びで心をつかまれたポイントを思い出してみましょう。

「大学研究」をしてみよう


子供が現在どんなことを考え、希望しているのかを把握したら、次は志望大学について研究してみましょう。方法は就職活動の際の「企業研究」にも似ています。

「アドミッションポリシー」を読もう

大学は、それぞれに「アドミッションポリシー」というものを公開しています。「アドミッション(英:admission)」とは、「入学」や「入学許可」という意味です。大学としてどのような学生に入学してほしいと考えているのかということが解説されています。入学試験の際には、各大学はアドミッションポリシーに基づいて志望者の中から学生を選抜していることになります。

それでは、アドミッションポリシーに具体的にどのようなことが書いてあるのか調べてみましょう。ここでは国立と私立それぞれから、自己推薦入試を行なっている「東京大学」と「慶應義塾大学」について見てみます。

東京大学のアドミッションポリシーには、「東京大学の使命と教育理念」「期待する学生像」「入学試験の基本方針」の3つの項目が示されています。「東京大学の使命と教育理念」には、以下のようにあります。

東京大学に入学する学生は,健全な倫理観と責任感,主体性と行動力を持っていることが期待され,前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)から可能な限り多くを学び,広範で深い教養とさらに豊かな人間性を培うことが要求されます。

(引用元:東京大学アドミッション・ポリシー|東京大学

学力が高かったり、研究能力が抜きん出ていたりするだけでなく、さまざまな分野に対して関心を持ち、主体的に学ぶ学生が求められていることが分かります。志望理由書に加えて小論文や面接を課される推薦入試では、子供にこのような姿勢があるかどうかを吟味される可能性が高そうです。

慶應義塾大学では、学部ごとにアドミッションポリシーを設定しています。文学部のアドミッションポリシーで、求める学生像として書かれているのは「慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心」です。伝統と特色がある大学だからこそ、そのカラーになじむ学生を求めているということでしょう。

文学部からのメッセージを読もう

大学の特色についてはどこで知ることができるのでしょうか。名称はそれぞれに異なりますが、各大学の公式ホームページでは「学部からのメッセージ」が公開されています。そちらを見てみると、雰囲気が分かるでしょう。

未知にたじろがず、わからなさと向かい合う。その困難な時間を、身につけ手になじんだことばと、友として出会う他者がささえてくれるでしょう。どうか、この学部・研究科でのみなさんの学びが、ことばの人類史の奥深さや、身体の錯綜し重層する実感や、社会の多様性の拡がりに負けないほど、ゆたかで透徹したものでありますように。

文学部長・研究科長 佐藤 健二

(引用元:学部長挨拶|東京大学文学部・大学院人文社会系研究科

いわゆるグローバル化や情報社会の到来によって、変動が激しく流動化する社会や世界の動向があるからこそ、根源や本質を追究するという文学部の意義はますます重要になってきます。慶應義塾大学文学部の教員と学生は、ともに互いの「文」(ことば)を尊重しながら、事柄の本質を見極めるための知的探究に共同してとりくんでいます。

文学部長 松浦良充

(引用元:学部長メッセージ|慶應義塾大学文学部

興味のあることに近い先生はいるか、授業はあるか

文学部全体の雰囲気をつかんだら、続いては子供の関心に沿って調べてみましょう。各大学の公式ホームページには、「教員紹介」「授業紹介」などのページがあります。子供が関心を持って学びたいと思っている分野の専門家はいるのか。また、関心のある専門分野がほかにあるのか、などをチェックしましょう。

子供の関心のある分野の専門家が見つからなかった場合でも、ほかに心を惹かれる研究があるかもしれません。気になった教員については、著書を読んでみるのも良いでしょう。

考える力は文学部でもっと鍛えられる!

志望理由を言葉にしてまとめるのには考える力が必要です。うまくまとめることができずに能力の限界を感じる子供もいるかもしれません。しかし、この考える力は文学部に入学してからさらに伸ばすことができます。「文系不要論」などという話題も耳にする昨今ですが、文学部で学ぶことは将来子供の助けになってくれるかもしれません。

大阪大学文学部長の金水敏は「文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか」と言っています。

人間が人間として自由であるためには、直面した問題について考え抜くしかない。その考える手がかりを与えてくれるのが、文学部で学ぶさまざまな学問であったというわけです

(引用元:文学部って何の役に立つの? 阪大学部長の式辞が話題に 思いを聞く|withnews(ウィズニュース)

「専門分野を学ぶことによって考える力を身につけたい」というのも志望理由の1つになります。そう思うに至った経緯も書くと説得力が増すでしょう。

まとめ:調べたことと自分の関心を組み合わせよう

志望理由を言葉にするのは、それを読んだり聞いたりする人に子供の考えを理解してもらい、納得してもらうという目的があります。子供自身の考えをきちんと書くだけでなく、しっかりと根拠を出して説明することも重要です。志望大学の文学部や、そこで行われている教育・研究について調べて、志望動機により説得力を持たせましょう。

参考
志望理由書(自己推薦書)とは|マイナビ進学
文学部の志望理由を考える|進路のミカタニュース
東京大学文学部・大学院人文社会系研究科
推薦入試トップページ|東京大学
慶應義塾大学文学部
推薦入試(自主応募):文学部|慶應義塾大学 学部入学案内
【討論】国立大学改革の一環として通知された「文系学部廃止」は是か非か|産経ニュース

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akahoshitomoka

piggiesagogoクロシェター・ライター。 オリジナルの編み物作品の作り方を販売しながらライターもしています。守備範囲はハンドメイドから不動産まで。三浦半島が好きです。