法学部で得られる資格とは?法律に関する資格と就職事情

テレビドラマや本に登場する弁護士や裁判官に憧れている子供は多いのではないでしょうか? 法学部で法律を学ぶということは、弁護士や裁判官以外にもさまざまな分野で活躍できる職業につながっています。当記事では、法律に関する資格や職業、法学部の就職先や就職率などについて詳しくご説明します。

法学部とはどんな学部?

法学とは、法や法律を学ぶ学問です。法学部では、法学の知識を身につけ、論理的思考力を備えた社会に貢献できる人材を育成します。具体的に学ぶ内容としては、法律の考え方や法の基本から始まり、憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の「六法」、税法や労働法、国際法などがあります。

法学部の主な就職先

法学部の就職先には、どのようなところがあるのでしょうか? 「法学部と言えば弁護士や司法書士?」と考える人も多いかもしれませんが、法律の専門職以外にも、国家公務員や官公庁、銀行、保険会社や証券会社などの民間企業への就職先も一般的です。法学部の進路を、いくつかの例を挙げて見ていきましょう。

早稲田大学法学部

大学院進学
15~20%

民間企業や官公庁へ就職
70%

主な就職先
みずほフィナンシャルグループ・三菱東京UFJ銀行・東京都職員I類・東京海上日動火災保険・国家公務員一般職・国家公務員総合職・(株)三井住友銀行・りそなグループ・大和証券(株)・損害保険ジャパン日本興亜(株)など

中央大学法学部

大学院進学
約15%

民間企業や官公庁へ就職
約80%

主な就職先
東京都庁・国税庁・神奈川県横浜市役所・みずほフィナンシャルグループ・国土交通省・神奈川県庁・りそなホールディングス・警視庁・大和証券グループ・損害保険ジャパン日本興亜・野村證券など

明治大学法学部

大学院進学
8.3%

民間企業や官公庁へ就職
85.5%

主な就職先
東京特別区職員・あいおいニッセイ同和損害保険・みずほフィナンシャルグループ・国家公務員一般職・野村證券・三菱UFJ銀行各・警視庁・日本政策金融公庫・横浜市役所各・日本航空など

金融機関や商社などの一般企業に就職する人や、公務員になる人が多いのが分かります。裁判官や検察官、弁護士を目指す人は法科大学院へ進学するのが一般的です。

法学部で得られる資格

教員免許や学芸員などのように、法学部において単位を取得することで得られる資格もあります。しかし、ほとんどの法律関係の資格は、試験に合格しなければ取得できません。ここでは、法学部におすすめの資格をまとめました。

司法試験

受験資格 法科大学院過程修了者、または司法試験予備試験合格者
試験概要 短答式試験および論文式試験
試験日 毎年5月中旬ごろの4日間
試験地 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡
合格率 約25%(平成29年度)

(参照元:平成29年司法試験の採点結果|法務省

司法試験とは、裁判官、検察官または弁護士となろうとする人が必要な学識や応用能力を備えているかどうかを判定する国家試験です。かなり難易度は高いですが、合格すればさまざまなフィールドで活躍できる可能性が大きくあるでしょう。職業によっては、高収入も期待できます。

司法試験に合格した人の職業としては、弁護士、裁判官、検察官など法律実務家、政治家、実業家、企業の法務部、学者、公務員などが挙げられます。

司法書士

受験資格 なし
試験概要 筆記試験(択一式・記述式)と口述試験の2段階
試験日 毎年1回、7月の第1日曜日
試験地 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の法務局が指定した場所
合格率 3.9倍(平成27年)

(参照元:平成27年度司法書士試験の最終結果について(資料)|法務省

司法書士の仕事は依頼を受けて、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成する仕事や、登記手続について本人を代理して行うなどがあります。法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所が管轄する民事事件を本人を代理して行うこともできます。

具体的な仕事内容としては、不動産売買や登記申請、会社や各種法人の設立手続き、商業登記申請、相続・遺言に関する業務などがあります。司法書士は暮らしの身近な法律問題などを取り扱っており、幅広い活躍の場が期待されます。就職するにも、独立するにもおすすめの資格です。

弁理士

受験資格 なし
試験概要 短答、論文(必須科目・選択科目)、口述の3段階
試験日 短答試験:例年5月下旬 論文:例年7月上旬 口述:例年7月下旬
試験地 短答試験:仙台、東京、名古屋、大阪、福岡   論文・口述試験:東京、大阪
合格率 6.5%(平成29年度)

(参照元:平成 29年度弁理士試験の結果発表|特許庁

弁理士とは、知的財産に関する手続きを業務として代理することができる国家資格を持っている人のことです。弁理士が事務を行う場所が「特許事務所」です。具体的な業務としては、発明・考案・意匠・商標についての出願・審判請求手続き等の代理、特許庁への登録、権利を維持などがあります。

合格するまでに、勉強時間3,000時間と言われているほど難易度の高い資格です。しかしながら、スキルによって個人差はあるものの、特許事務所に勤務する弁理士の平均年収は700万円程度、年収1,000万円以上を得ている人もおり、一般的な会社員より高めの収入が魅力です。

通関士

受験資格 なし
試験概要 関税法・通関業法・実務(マークシート方式)
試験日 毎年10月上旬
試験地 北海道、宮城県、新潟県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県
合格率 21.3%(平成29年度)

(参照元:第51回通関士試験の結果について|税関

通関士の仕事は、税関官署に提出する申告書類等の内容を審査など、輸出入に必要な業務を行うことです。通関士になるには、通関士としての専門的な知識や能力を備えているかどうか確認するための国家試験に合格しなければなりません。

通関士として国際空港などで働く以外にも、通関業者として海運・航空・倉庫・物流などの企業で仕事をしたり、貿易会社などにおいて海外との取引の業務に関わった仕事をしたりすることもできます。貿易系唯一の国家試験なので、取得すると就職にも有利と言えるでしょう。

社会保険労務士

受験資格 なし
試験概要 労働基準法、雇用保険法、社会保険法などの科目(選択・択一式
試験日 毎年8月
試験地 北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、京都府、愛知県、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
合格率 6.3%(平成30年度)

(参照元:第50 回社会保険労務士試験の合格者発表|厚生労働省

社会保険労務士とは、企業の中で人材に関する業務を行います。具体的な仕事内容としては、労働社会保険手続きや相談業務、労働者の良好な環境作り(就業規則の作成・見直しなど)、年金相談業務などがあります。

企業で社会保険労務士として働く以外に、コンサルタントやアドバイザーとして独立する人も多い職種です。比較的勉強しやすい資格で、大学在学中や働きながら社会保険労務士の資格を取れるのも魅力の1つです。

まとめ


法学部におすすめの資格と職業についてご紹介しました。法律関係の職業は、子供にとってはなじみのないものも多いかもしれません。日々の生活の中で法律の専門家と関わる機会があれば、法律や法律に関係する職業について話して子供と一緒に話してみてはいかがでしょうか?

参考
資格試験に関する情報|法務省
司法書士ってなに?|石川県司法書士会
弁理士の仕事とは|Career Garden
通関士の資格|資格のTAC
通関士試験|税関
社会保険労務士について|社会保険労務士試験オフィシャルサイト
社労士を知る|全国社会保険労務士会連合会
早稲田大学法学部進路|早稲田大学
中央大学法学部進路|中央大学
明治大学法学部進路|明治大学

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