法学部で得られる資格
教員免許や学芸員などのように、法学部において単位を取得することで得られる資格もあります。しかし、ほとんどの法律関係の資格は、試験に合格しなければ取得できません。ここでは、法学部におすすめの資格をまとめました。
司法試験
受験資格 | 法科大学院過程修了者、または司法試験予備試験合格者 |
試験概要 | 短答式試験および論文式試験 |
試験日 | 毎年5月中旬ごろの4日間 |
試験地 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡 |
合格率 | 約25%(平成29年度) |
(参照元:平成29年司法試験の採点結果|法務省)
司法試験とは、裁判官、検察官または弁護士となろうとする人が必要な学識や応用能力を備えているかどうかを判定する国家試験です。かなり難易度は高いですが、合格すればさまざまなフィールドで活躍できる可能性が大きくあるでしょう。職業によっては、高収入も期待できます。
司法試験に合格した人の職業としては、弁護士、裁判官、検察官など法律実務家、政治家、実業家、企業の法務部、学者、公務員などが挙げられます。
司法書士
受験資格 | なし |
試験概要 | 筆記試験(択一式・記述式)と口述試験の2段階 |
試験日 | 毎年1回、7月の第1日曜日 |
試験地 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の法務局が指定した場所 |
合格率 | 3.9倍(平成27年) |
(参照元:平成27年度司法書士試験の最終結果について(資料)|法務省)
司法書士の仕事は依頼を受けて、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成する仕事や、登記手続について本人を代理して行うなどがあります。法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所が管轄する民事事件を本人を代理して行うこともできます。
具体的な仕事内容としては、不動産売買や登記申請、会社や各種法人の設立手続き、商業登記申請、相続・遺言に関する業務などがあります。司法書士は暮らしの身近な法律問題などを取り扱っており、幅広い活躍の場が期待されます。就職するにも、独立するにもおすすめの資格です。
弁理士
受験資格 | なし |
試験概要 | 短答、論文(必須科目・選択科目)、口述の3段階 |
試験日 | 短答試験:例年5月下旬 論文:例年7月上旬 口述:例年7月下旬 |
試験地 | 短答試験:仙台、東京、名古屋、大阪、福岡 論文・口述試験:東京、大阪 |
合格率 | 6.5%(平成29年度) |
(参照元:平成 29年度弁理士試験の結果発表|特許庁)
弁理士とは、知的財産に関する手続きを業務として代理することができる国家資格を持っている人のことです。弁理士が事務を行う場所が「特許事務所」です。具体的な業務としては、発明・考案・意匠・商標についての出願・審判請求手続き等の代理、特許庁への登録、権利を維持などがあります。
合格するまでに、勉強時間3,000時間と言われているほど難易度の高い資格です。しかしながら、スキルによって個人差はあるものの、特許事務所に勤務する弁理士の平均年収は700万円程度、年収1,000万円以上を得ている人もおり、一般的な会社員より高めの収入が魅力です。
通関士
受験資格 | なし |
試験概要 | 関税法・通関業法・実務(マークシート方式) |
試験日 | 毎年10月上旬 |
試験地 | 北海道、宮城県、新潟県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県 |
合格率 | 21.3%(平成29年度) |
(参照元:第51回通関士試験の結果について|税関)
通関士の仕事は、税関官署に提出する申告書類等の内容を審査など、輸出入に必要な業務を行うことです。通関士になるには、通関士としての専門的な知識や能力を備えているかどうか確認するための国家試験に合格しなければなりません。
通関士として国際空港などで働く以外にも、通関業者として海運・航空・倉庫・物流などの企業で仕事をしたり、貿易会社などにおいて海外との取引の業務に関わった仕事をしたりすることもできます。貿易系唯一の国家試験なので、取得すると就職にも有利と言えるでしょう。