越境入学で小学校・中学校の子供の進級・進学に新たな選択肢!

越境入学で子供の進級・進学を考えよう!

引っ越すけど、慣れ親しんだ前の小学校に通い続けたい。中学校に進学するけど、自分のやってきたスポーツが進学先ではできない。このようにさまざまな理由で、指定された学区以外の学校に通うことを希望する子供、保護者は少なくはないでしょう。

近年、そんな希望にこたえるため、越境入学という制度が注目されています。

今回は越境入学を考えている人のため、越境入学とはどんな制度か、どのような理由があればその制度を利用できるのか、そしてそのためにはどのような手続きが必要なのか詳しく解説していきます。

越境入学って何?

越境入学とは、「部活の強豪校の学校に入りたい!」「引越しをした後も同じ学校に通いたい!」など、さまざまな理由によって現住所がある学区以外の学校に通うことを言います。しかし、学区外の学校に通うにはさまざまなルールがあります。

公立学校間での越境入学は可能?

初めに疑問となるのは「小・中学校」などの義務教育期間において、学区外の公立学校に進級・進学・転校または残留が可能なのかということです。

公立学校には学区制がある

文部科学省によれば、公立の学校への就学の際には、どの学校に入るのかは、各市区町村の教育委員会によってあらかじめ設定された区域によるものとされています。そのため、一般的には住んでいる場所によってどの小・中学校に入るかは決められていると言えます。

越境入学はどのように定義されているか?

しかしながら、各家庭の都合や少子化の影響、また個人の事情を考慮し、越境入学に関する新たな選択肢も認められてきているようです。子供のより良い環境を考える上で、越境入学の定義と多様化される実例を確認していきましょう。

越境入学の定義は、文部科学省によると「学校選択制」という言葉で表されています。その中では、以下のように学校選択制が定義されています

市町村教育委員会は、就学校を指定する場合に、就学すべき学校について、あらかじめ保護者の意見を聴衆することが出来る

(引用元:よくわかる用語解説|文部科学省

さらに、学校選択制は

  • 自由選択制
  • ブロック選択制
  • 隣接区域選択制
  • 特認校制
  • 特定地域選択制

市区町村によって地理的状況や決められた範囲内での学校選択が認められる場合があります。学校選択を考える場合には、現在住んでいる自治体や教育委員会に確認をする必要があります。

このように越境入学が認められていることが分かります。

越境入学をする主な理由

越境入学といってもその理由は個人によってさまざまです。具体的にどのような理由から越境入学を考え、学校を選択しているのかを見ていきましょう。

部活動が理由になるもの

公立学校間での越境入学は基本的に自治体のルールによって決められています。しかし、文部科学省で紹介された高知県高知市の例を見ると、中学進学を控えた子供がずっと続けていたスポーツを中学校でも継続したい場合、そのスポーツを部活動にしている通学区域外の中学校に就学することができたとあります。

(参照元:2.就学校の指定変更[部活動の有無による指定校変更]|文部科学省

また神奈川県綾瀬市では、中学校就学前から続けてきたスポーツが学区の中学校の部活動に無い場合に、希望する部活動のある中学校に入学を変更できる制度があります。しかし、こちらはあくまで中学校入学前のみの受付となっている点や、その部活動を辞めてしまった場合は元の学区の中学校に戻らなくてはいけなかったり、通学方法に制限があるなどの点があるので、強い意思と責任を持って学区外の学校を選択する必要があります。

(参照元:部活動を理由とする中学校の変更制度|綾瀬市

通学面での不都合の緩和

住宅の立地の面で学区内の小・中学校に通学するのが困難な場合、本来の学区や市町村をまたいで通学をする場合があります。この場合、個人の申請よりも自治体で取り決めている場合もあるので確認が必要です。

しかし、市町村によっては通学の際にスクールバスを運行している場合も多く、地域内のさまざまな場所から通う子供の通学をサポートしています。学校まで15km以上離れている、電車も公営バスも現実的ではないという環境の場合、スクールバスは非常に重宝されます。

転居によるもの

転居によって学区が変わっても現在の学校に通学し続けられることもあります。千葉県市原市では、小学生が隣接する学区に転居した場合は小学校卒業まで現在の小学校に通い続けることが可能とされています。

(参照元:学区外(区域外)就学許可申請について|市原市

地域間での選択が認められている

神奈川県海老名市では、特定の地域間に居住する児童・生徒は、あらかじめ2つの学校から就学する学校を選択できる選択学区制を実施されています。地域間である程度の学校の選択が認められることによって、本人により適した環境を選ぶことができます。

(参照元:選択学区制の対象地域と手続きのご案内|海老名市

本人の特性を生かすため

いろいろな小学校で特別な支援を必要とする子供のための措置が取られるようになり、特別支援学級を設けている学校も多くなりました。特別支援学級に関しても、基本的には学区制があるのですが、通学への困難がある場合には学区外への通学が認められる場合があるようです。

特別支援を必要とするケースは子供によってさまざまですが、その後の進学や受けられる福祉の面から考えると、住んでいる自治体との連携を図れる学校環境が良いと言えるでしょう。

その他特別な理由

学区外の学校となるとハードルも高くなりそうですが、子供の数も減っており、個々に応じた対応が求められるようになってきているので、学校選択にもいろいろな可能性が見えてきました。

文部科学省ホームページに掲載されている実例によれば、山形県米沢市では留守家庭を理由に学区の選択制が認められる場合や、いじめ・不登校を回避するために転居先ではない以前の学区の中学校に通うことができたという例があります。また、鳥取県米子市では、友人関係を継続するべく以前の学区の学校に通い続けたという実例もあります。

このように今日では、学区外への越境入学に関してさまざまな対策が取られていると言えます。しかし、こういった実例の多くも、学区を変更、または在留するための正当な理由を教育委員会に伝え、許可される必要があることも忘れてはなりません。

(参照元:2.就学校の指定変更[保護者が共働きであるための指定校変更]|文部科学省
(参照元:2.就学校の指定変更[転居に関連した指定校変更]|文部科学省

越境入学をする方法

越境入学までの手続き
文部科学省によれば、就学校の学区を市町村教育委員会に委ねられているとされています。小学校進学に係る就学校の決定には、前年度のうちに行われる「就学前検診(11月30日まで)」から「保護者に就学校の通知(翌年1月31日まで)」の間に、学校選択制のある自治体の場合は保護者への意向を確認することになります。

(参照元:よくわかる用語解説:文部科学省

学校選択制度が無い例として、福島県福島市では、学区外からの就学を希望する際、入学通知書が届いてから2月末までの間に許可申立書と添付書類を学校教育課に提出することになっています。学年途中での学区外通学は随時、学区外通学許可申立書と添付書類を学校教育課へとあります。

(参照元:入学する学校の変更を希望されるかたへ(新入学)|福島市

自治体によって越境入学が無事に成立して行われるまでの手順はさまざまです。いずれにしても、学区外からの越境入学、特に個人の事由による場合は地方自治体の決まりに従って相談することから始めると良いでしょう。

まとめ

各市区町村の実例を見ても、個々の状況に応じた越境入学が認められ、子供本人が通いやすい環境が実現してきていると言えます。しかし、そのためには決められた手順に従うことや自治体からの聞き取りに対応する必要があります。子供の意思や気持ちを尊重しながら着実に進めていきましょう。

参考
学校選択制について|文部科学省
指定学校変更申請|仙台市HP
指定地区外就学許可制度のご案内|横浜市教育委員会HP
よくわかる用語解説:文部科学省

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cocoiro編集部

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