質問力を鍛えるメリット
では、質問力を鍛えることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。1つ1つ、それぞれ見ていきましょう。
疑問や不安を解消できる
質問力を高める最大のメリットは、疑問を解消できることです。例えば、学校の先生から運動会開催についての話があったとしましょう。
「雨が降った場合、運動会は延期になるのか中止になるのか」「雨が降ったとして、何時までに連絡をもらえるのか」「自宅待機なのか、通常授業になるのか」というように、リスクを考えた上で質問を投げかけることで、そのときになって慌てることなく、冷静に対処できるようになります。
いつ何が起こるか分からないこと、特に天候に影響される学校の年中行事などに備えて、最悪の事態を考えてリスクヘッジできる質問力を身につけておきたいものです。
相手との認識のずれを正すことができる
たった1度の説明だけで、すべての状況を即座に理解できる人は少ないはず。むしろ、「この場合はどうなるのだろうか?」といった新たな疑問が発生することの方が多いのではないでしょうか?
自分が疑問に感じる点や違和感があるときは、「Aの場合はこういうことでよろしいでしょうか?」と答え合わせをするつもりで確認してみましょう。物事に取りかかる前に事前確認をしておくことで、相手との認識のずれが発生するのを未然に防ぐことができます。
得られる情報量が多くなる
質の高い質問を相手に投げかけられるようになると、1度に得られる情報量が多くなります。例えば、「今日、学校で何するの」と断定的に聞くよりは、「最近、学校楽しい」と聞いたほうが、「うん、昨日○○があって、○○君と一緒のチームになって……」という風に多くの情報を引き出しやすくなります。
ミスが少なくなる
質問をすることで、自分の勘違いや相手との認識のずれを未然に回避することができます。そのため、物事に取り組む前の不安や疑問を取り除くことで、スムーズに作業を進めていくことができるのです。
また、作業を進めていく段階で予想しなかったトラブルが発生した場合も、リスクを最小限におさえることができます。
成果に正しく向かえる
「間違っていたらどうしよう」と感じていると、ついつい先延ばしになってしまうこともあるもの。
しかし、質問力を身につけておくことで、不安を解消し、目標を最短距離で達成できる目的や手段を設定できるようになります。正しく成果に向かうことで、自分の評価を高めて組織の成長に貢献できるのです。
質問力を鍛えるには質問の種類を把握しよう
質問力を鍛えるためには、むやみに質問をするのではなく、まずは質問の種類を理解することが大切です。
クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョン
初対面の人と会話をする上で重要なのが、「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」を使い分けること。
「クローズド・クエスチョン」とは、相手が「はい・いいえ」で答えられる質問です。「映画は好きですか?」「テレビゲームはしますか?」「海外旅行へ行ったことがありますか?」といった二者択一の質問は、初対面の人との会話の取っかかりになる有効的な手法の1つ。
対して「オープン・クエスチョン」とは、相手が自由に答えられる質問の仕方です。「どう思いますか?」「今日の学校はどうだった?」というもの。「はい・いいえ」以外の回答範囲を設けることによって、話題を広げるきっかけになります。
相手や状況を把握するための質問or問題解決につながる質問
子供が両親や友人に向けてする質問の内容と、学校の先生への質問は目的が異なります。というのも、子供が両親や友人に聞く質問の多くは、状況を理解・把握することにが目的となっています。「今日の夕飯は何?」といったものです。
しかし、学校で担任の先生にする質問はたいていが、問題を解決するためのもの。「宿題はいつまでに提出しますか?」「どういう意味ですか?」という具合に、自分が抱えている問題を解決する手段の1つとして相手に質問を投げかけます。
このように質問力を磨く上で、状況や相手に応じて質問の仕方や内容違う、ということをきちんと理解しておくことも非常に重要なポイントです。