「自分はダメな子」子供に劣等感を生む9歳の壁・10歳の壁とは? - cocoiro(ココイロ) - Page 3

10歳の壁を克服しよう!親ができる3つのメソッド

10歳の壁を克服しよう!親ができる3つのメソッド
これらの悩みを解決し「壁」を突破するために、親は子供へ何をしてあげられるのでしょうか。

文部科学省では9〜10歳の子供の精神的な成長過程を踏まえ、以下のような力を養うことを課題として掲げています。

  • 抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解
  • 自己肯定感の育成
  • 自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
  • 集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
  • 体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり

(引用元:3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題|文部科学省

今回は、上記の課題を解決するために親ができることを3つご紹介します。

(1)【自己肯定感を高める】良いところを褒める

劣等感を感じやすくなっている子供には、自己肯定感を高めてあげる必要があるでしょう。そのために、良いところはきちんと褒めてあげる必要があります。

前述のとおり、このころ多くの子供が思春期に入ります。精神面が不安定になることで、イライラしてしまったり態度が反抗的になってしまったりすることもあるでしょう。親からすると、「どうしてこんなことをするの?」と怒ってしまいたくなる場面が多くなっていくかもしれません。

親に怒られることを気にせずに、自由奔放に振る舞っているように見えるかもしれません。しかし、実際は友達と自分との間に成長の差を感じ、劣等感を感じているかもしれないのです。そんなときに親からも叱られてばかりだと、「自分には良いところなんてない」、「どうせ自分なんか」と落ち込ませてしまう可能性があるでしょう。

子供のためにも、悪いところはきちんと注意をするべきです。しかし注意してばかりではなく、良いところも見つけてあげましょう。細かなところであっても褒めてあげることで、子供の自己肯定感を高めてあげましょう。

(2)【責任意識を持たせる】社会活動へ参加させる

学校生活とは異なる団体の活動に参加することで、子供の視野を広げてあげることができます。

この時期の子供の交友関係は、どうしても同じ学校の中だけで形成されやすくなっています。毎日のように顔を合わせる友人との勉強や運動能力の差に落ち込み、グループ内での友人関係に悩みやすくなっているのです。

学外で行われる社会活動には、普段の学校の友達と一緒に参加する必要はありません。また、普段の友達同士の関係性を考える必要もありません。あくまで自分そのものとして参加することで、「学校内での関係だけに縛られる必要はない」ということに気づかせてあげることができます。

自信を取り戻すことができれば、活動に対して意欲的になることができるでしょう。また、学外の社会活動にはすべての子供たちが参加しているわけではありません。参加することで団体の人から褒められたり、感謝されたりする可能性があります。それは子供にとって存在意義を感じるきっかけとなるかもしれません。

「自分のことを求めてくれているのだから、頑張ろう」と思うことで、活動に対して責任意識を持つことが期待できます。普段の友達関係でがんじがらめになってしまっている場合は、学外の活動に参加させることで視野を広げてあげるといいでしょう。

(3)【思考力・想像力を高める】読書の習慣づけ

9〜10歳の子供には抽象的な物事を考える力が備わっていきます。この思考力や想像力を高めるための手段の1つに、読書が挙げられるでしょう。

なかなか本を読む習慣がないという子供もいるかもしれません。その場合は本屋へ行って、自分で本を選んでもらうといいでしょう。

登場人物の気持ちを考えることや、語彙力を高めるという点においては、漫画でも力を養うことができるでしょう。例えば以下の漫画は子供たちに人気があり、またそのタイトルが2018年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど大きな話題となりました。

「本を読む」という行為には抵抗がある子供もいるかもしれません。しかし流行しているものであれば、子供が自分から手を伸ばすかもしれません。机の上にそっと置いておいてみるなどして、自然と子供が本を読む習慣をつけられるといいでしょう。

1番悩んでいるのは子供!親はそっと支えよう

「9歳の壁」や「10歳の壁」という言葉そのものは、知らない子供も多いでしょう。つまり子供は日々劣等感を感じたり悩んだりしていますが、その理由はよく分からない可能性があるのです。

子供のようすを見守る親としては、子供が9〜10歳になると不安に思ってしまうでしょう。しかし「壁」に直面しているのは子供自身です。そんなときに親が不安そうにしていては、子供の悩みが深くなってしまうかもしれません。

これらの「壁」は子供の発達段階で訪れるものです。親として子供が「壁」を超えられるように、そっと支えていってあげましょう。

参考
子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題|文部科学省
児童期の認知発達と心理発達の特徴と支援について|帝京科学大学 学術リポジトリ
「10歳の壁」この時期の子どもの内面に起こる変化や成長とは?【中編】|ベネッセ教育情報サイト
子どもの学力や運動神経に「10歳の壁」があるって本当?|いこーよ
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この記事をかいた人

mio_yamamoto

立教大学観光学部卒。豊かな教育は豊かな街を作ることに繋がると考え、教育業界にて6年間講師職に従事。現在は働く人を支えるべく、社会保険労務士の勉強中。趣味はアンテナショップ巡りとプログラミング、iPadで写真に手書き加工をすること。食べることが大好きで全体的に太ってきてしまったので、暇さえあればストレッチや筋トレに励む毎日です。