「自分はダメな子」子供に劣等感を生む9歳の壁・10歳の壁とは? - cocoiro(ココイロ) - Page 2

10歳前後の子供はどんな悩みを抱えやすい?

9〜10歳の子供はどんなことに劣等感を感じ、悩んでしまうのでしょうか。今回は3つの具体例をご紹介します。

(1)勉強の成績を周りと比較してしまう

学校で学ぶ勉強の多くは正解・不正解がはっきりしており、成績も点数で分けられます。つまり、自分と周りとの点数の差を把握しやすいのです。

授業によってはテストの平均点を告げられることもあります。平均より劣っている場合、「自分はだめな子だ」と落ち込んでしまうかもしれません。

(2)運動能力を周りと比較してしまう

9〜10歳ごろは、多くの子供が思春期に入ります。そのため心だけではなく、体も徐々に発達していきます。体の大きさや筋肉の発達具合によっては、運動能力に差が開きやすくなるかもしれません。

身体能力に差が出てくることによって、友達はできるのに自分にはできないと感じる機会が多くなる可能性があります。例えば体育の授業の際には、もっと速く走りたいのに走ることができない、体を思うように動かすことができないなどの葛藤が生まれるでしょう。「やりたいけれどできない」と感じる場面が増え、運動に対しても苦手意識を抱き始める子供もいるでしょう。

(3)友人関係に不満を持ちやすくなる

この時期の子供は、人間関係についても優劣を感じ始めます。前掲の文部科学省の資料には、以下のような記述もあります。

また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。

(引用元:3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題|文部科学省

抽象的な思考力を身につけていくことで、既存のルールだけではなく自分たちで何か決まりや判断基準を作ることができるようになっていきます。

しかし基準を作ることで、基準を「満たす」、「満たさない」で自分や友達を評価するようにもなっていきます。つまり、友達を選び始める可能性があるのです。

基準を満たさない相手はグループに入れなかったり、時には自分が違うグループへ移りたいと思ったりするかもしれません。基準を作ることで生まれる優劣が、子供の対人関係にも悩みをもたらす可能性があるでしょう。