子供との会話の処方箋
5つの言葉を使って、実際にどのように会話をすればいいのでしょうか。
子供の話が抽象的なところからスタートした場合は、「例えばどういうこと?」、「なぜなの?」といったように話が具体的になるように導いてあげましょう。例えば、「算数が嫌い」と子供が言った場合には「なぜなの?」と問いかけて、何が嫌いなのかを具体的にしていくといった具合です。
逆に、子供の話が具体的な事実から始まった場合は「要するにどういうこと?」と状況を整理する方向に話を導いてあげるのです。
自分の子供の言いたいことくらい、察することができる方も多いでしょう。ここではその思いはぐっとこらえて、察しの悪い親になりきることをおすすめします。
また、親自身も子供に対してお手本を示す必要があります。例えば、小さい子供はよく「どうして」、「なぜ」ということを親に聞きますよね。この質問に対して「知らない」や「みんなそうしている」といった回答をすると、子供も真似をしてしまうのではないでしょうか。親としても子供に論理的な回答を心がけたいものですね。
親子で学ぶロジカルシンキングの本
さらに親子で論理的思考力を学びたいとお考えの方に、おすすめの本をご紹介したいと思います。
論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング(著者:三森ゆりか)
本書は子供の論理的な思考力を育てるために必要な会話のポイントを紹介した一冊になります。子供との会話事例が多く掲載されており、親が子供に具体的にどうやって接すればいいのかを理解するヒントに最適です。
ロジカルキッズワーク(入門編)、(基礎編)(著者:学習塾ロジム)
本書は入門編50問、基礎編50問、合わせて100問で構成された論理的思考の問題集です。毎年難関中学への合格者を輩出する学習塾ロジムの教育ノウハウが詰まった書籍で、小学生が論理的思考を鍛えるために必要最小限の問題で構成されています。子供に渡す問題集としておすすめです。
小学生からのロジカルシンキング(著者:苅野 進)
本書は仮説を構築する、MECEといった概念がわかりやすく説明された、子供がロジカルシンキングの理論を学ぶことのできる一冊です。少し高度な内容ではありますが、親子で一緒に読めば、楽しく学習できるのではないでしょうか。
小学生からはじめる 考える力が身につく本-ロジカルシンキング(著者:山﨑 紅)
本書は前半では論理パズルや計算式を解きながら、物事を多面的にとらえたり、理由を論理的に考えたりする力を養い、後半では身近な題材を使って論理的に考える訓練もできる構成になっています。実践的な問題解決の方法まで学びたい人におすすめの一冊です。
まとめ
子供の論理的思考力は家庭のちょっとした工夫で育むことができる能力です。ぜひご家庭で、まずは日々の会話を変えるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
参考
東洋経済ONLINE「効果的!子の論理力を育てる「5つの言葉」
「具体⇔抽象」を自在にできる子は強い」
文部科学省「学習指導要領「生きる力」」
産経ニュース「読解力低下 言葉重視し考える指導に」
文部科学省「未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて」
PHP ONLINE「「論理思考」はパズルで身につく! ~ 演繹・帰納・アブダクションを学ぶ ~」
グロービス・マネジメント・インスティテュート(著)「MBA クリティカルシンキング」