武道の「道」ってそもそもなに?
昔から存在する日本の「道」とはなにか?
日本では、剣道を含む「〇〇道」という競技が多くあります。また、日本人は「道徳」「道に反する」など、人間性を表す言葉に「道」という漢字をよく使っています。この「道」というものは、そもそもどういった意味なのでしょうか。
その歴史は中国の老子の時代までさかのぼります。老子が「道」という漢字を語ったことから、人生の本質や本質を極めようとする生き方を意味するようになりました。
「道」という言葉の影響により、日本の古代宗教が「神道」、立花が「華道」、茶の湯が「茶道」へと変わってきたのです。「道」とはプロセスのことです。例えば、茶道であれば、お茶という手段を通して人生や自然への悟りを得ていくための道なのです。つまり、悟るための努力の過程が「道」であり、悟ってしまったら「道」ではなくなってしまいます。日本では、未完の道を極めていくことに重きを置いているのです。
「道」を通して何を学ぶのか?
現代の日本にある「〇〇道」が名づけられたのは明治時代ごろと言われています。「武士道」「書道」「柔道」「弓道」など、たくさんの「道」ができました。これらの道では、各分野での技術習得のみを目的にするのではなく、その過程にある精神性や生き方を学んでいくものです。技術を重んじ、完成と新たな発展を追い求めていく西洋の価値観とは、根本的に異なります。
剣道などの競技がガッツポーズを禁止行為にしているのは、「道」が精神性や生き方を磨くものであるからこそ、そこを外してしまっては本末転倒になってしまうからなのではないでしょうか。