受験やテストに!子供の記憶力がグングンのびるエピソード記憶とは - cocoiro(ココイロ) - Page 2

エピソード記憶とは

エピソード記憶とは

エピソード記憶と意味記憶の違い

人間の記憶には、さまざまな種類があります。例えば、短期記憶と長期記憶は、記憶の保たれる期間によって分けられています。その長期記憶の中に含まれているのが、エピソード記憶と意味記憶です。

まず、意味記憶とは、一般的にいう暗記タイプの記憶です。赤くて丸い果物を見て「りんご」と覚えたり、熟語の意味を覚えたりするのは、意味記憶です。

特徴は、覚えようと努力しないと覚えることができない点です。「聖徳太子が17条の憲法を制定した」という事実を覚えるのも、努力なしには覚えられないでしょう。また、意味記憶は、一度覚えてもすぐに思い出せず、忘れてしまうのが特徴です。

一方のエピソード記憶とは、五感を通して何かを体験したことを覚えるタイプの記憶です。例えば、京都への卒業旅行で訪れた場所、恋人との初デートの場所、友達の結婚式でのサプライズの内容、といったものは、無理に覚えようとしなくとも、自然に覚えられます。また、「いつ、どこで」といった時間的、空間的な情報に加えて、自分の身体的、心理的な状態も記憶に含まれるのが特徴です。

意味記憶とエピソード記憶の違いは、その事柄を自分が体験したか、どうかです。例えば、「聖徳太子が17条の憲法を制定した」ことを体験することは、タイムマシンを発明しない限り難しいでしょう。では、エピソード記憶と意味記憶、どちらを使って物事を記憶することが正しいのでしょうか。

前提としてお伝えしたいのが、意味記憶は、10歳をピークに段々と弱まっていくことです。一方のエピソード記憶は、少しずつ優位になってきます。では、エピソード記憶だけを重視して記憶していけばいいのかと言えばそうではなく、双方をバランスよく取り入れて記憶することで、相乗効果が生まれるのです。

エピソード記憶の実践方法

学校のテスト等で必要になってくる記憶は基本的には意味記憶として保管された内容になります。しかし、エピソード記憶をうまく学習に取り入れることもできます。

体験する

自分の五感を使い、物事を体験してエピソード記憶にしていきましょう。理科であれば、紹介された実験方法を実際に試したり、動植物を育てたり、観察するなかでエピソード記憶として蓄積されるでしょう。社会であれば、実際の国会議事堂や裁判所などを見学して、実際に何をしているのかを目で見ることは有効でしょう。

ただ、先ほどもお伝えした通り、歴史上の出来事や熟語の意味など、自分で経験するのが難しい物事もあります。そこで有効な方法が2種類あります。

まず、「場所を変える」ことです。自分の部屋や塾の教室など、いつも決まった場所で勉強していると、エピソードとしての刺激が少なくなり、記憶しづらいです。あえて、図書館やカフェ、公園など、いつもと違う場所で勉強すると、それが脳への刺激となり、エピソード記憶の活性化につながります。また、図書館で社会、公園で英語など、教科ごとに場所を決めておくと、よりエピソード記憶と結びつきやすくなるでしょう。

次に、「姿勢を変える」ことです。常に座ったままでなく姿勢を変えることも、エピソード記憶に結びつけるためのポイントです。立つこと、椅子の上で正座や逆立ちすることも有効な方法です。ただ、姿勢を変えると、長時間を維持することが難しくなってくるでしょう。うまくリフレッシュに取り入れたり、最期のまとめなど、重要な場面で使ってみてください。