反抗期の中学生の行動
心と体に大きな変化を巻き起こす思春期の反抗期は、ときに子供に問題行動を引き起こさせてしまいます。それでは、思春期に起こり得る問題行動にはどのようなものがあるのでしょうか。
問題行動とは
どんな行動を問題行動と定義するかは人によって基準が異なるでしょう。反抗期はただでさえこれまでとは違った態度をとる子供が増える時期です。
反抗期の態度としてよく挙げられる行動には、勉強をしない、部屋を片付けない、塾をサボる、言い訳をするなどさまざまなものがあります。これらに共通していることは「日常生活の範囲内で起こっている」ということでしょう。ごく当たり前であったことを、改めて考えてみると「本当にこれはしなければいけないだろうか?」などのように自問自答します。
そのため、問題行動として取り上げられやすいのは、それ以前の日常で起こり得なかった行動のことと言うことができるでしょう。
人に手をあげる行為
問題行動として挙げられる行為の1つに、人に手をあげる行為をすることがあります。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、児童生徒の暴力行為について以下のような数値が公表されています。
小・中・高等学校における,暴力行為の発生件数は59,457 件であり,児童生徒1,000 人当たりの発生件数は4.4 件である。
(引用元:平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)について|文部科学省)
思春期の到来時期には個人差がありますが、10〜12歳頃と言われています。中学生になって生活も変化し、体も大きくなり、心も不安定になった結果、その不安な気持ちを有り余った力に集約してしまう子供もいるでしょう。
万引きなどの犯罪行為
問題行為として挙げられるものの中には、犯罪もあります。たとえば万引きは身近な犯罪であり、場所によっては容易にできてしまうお店があることは事実です。
万引きは、その難易度から犯罪である意識が低く、ゲーム感覚で手を出してしまっている子供もいるかもしれません。また、店舗や店員によっては1回目は注意喚起にとどまるなど警察沙汰にならないこともあり、罪への意識が上がらず犯罪を繰り返してしまうこともあります。
いじめ
いじめは不安定な気持ちを安定させるため、自分以外の誰かを自分より下に見ようとすることから始まります。また、自分はいじめているつもりがないと言う子供もおり、人を傷つけることがなぜいけないのか、あまりピンときていない可能性もあります。文部科学省の調査では、いじめの認知件数について以下のような結果を公表しています。
小・中・高等学校及び特別支援学校における,いじめの認知件数は323,808 件であり,児童生徒1,000人当たりの認知件数は23.9 件である。
(引用元:平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果(速報値)について|文部科学省)
同調査ではいじめの発覚経路について、学校での調査によるものが51.6%と最も多くなりましたが、いじめられている本人からの訴えで発覚したものは18.1%にとどまり、被害者側からなかなか声をあげられない状況となっていることが分かります。そのため、いじめている本人も罪の意識が薄れてしまい、いじめられている子供の気持ちを考える機会がなかなかないという可能性があります。