反抗期の終わりのサイン
子供の反抗期に悩む親が多いですが、いつまで続くか終わりの見えない我が子の態度に不安を感じてしまう人も多いでしょう。反抗期には終わりのサインはあるのでしょうか。
明確なサインはない
残念ながら反抗期には明確な終了サインはなく、親子関係が落ち着いてきた頃になんとなく反抗期の終了を感じる親子が多いでしょう。子供自身も「今、自分は反抗期である」という自覚がない可能性もあり、反抗的な態度をとっているとさえ思っていない子供もいるかもしれません。
また反抗期といっても、常に全力で反抗の姿勢を示し続けてくるわけではありません。ときには素直に謝ったり、親を気遣うような態度を示したりするなど、「反抗期が終わったのかな?」と思わせるようなこともときにはあるでしょう。
そのため、子供の一挙一動に反抗期終了のサインを探してしまっては、「まだ終わらない……」と親の心理的な負担が増大してしまうことになりかねません。「いつかは分からないけれど、きっと終わる」と思い、目の前の子供と向き合うことが必要です。
反抗期が長引く理由
なかには高校を卒業しても、成人しても親への反抗的な態度が続く場合もあります。第二反抗期については、以下のような見解が公表されています。
反抗期を経験した者は,反抗期の中核的な行動や心理はすでに沈静化していたとしても,反抗期のときに生じた葛藤がいくらか残っている可能性がある。また,葛藤自体は残っていなくても,自分が親に理解されにくかった感覚は残っているのかもしれない。
(引用元:第二反抗期経験の有無と過剰適応が青年期後期の心理的自立と対人態度に与える影響|教育実践研究 : 富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要)
反抗期には明確な終了はありませんが、反抗は徐々に落ち着いてきます。しかし、そのときにも衝突が起こる可能性はあり、そのことによって、我が子は反抗期が終わらないと考えてしまう親もいるでしょう。
反抗的な態度が長引いてしまうのは、親から理解されていないのではないか、という不安が1つの原因としてあります。分かってもらえないからこそ、自分の意見を示して分かってもらおうとしている可能性があります。
大人の反抗期もある
前述の反抗期の時期についての調査結果から、反抗期は中学生の時期に経験する人が多いということが分かりました。しかし、同調査では高校を卒業した後に反抗期が来たという人も少数ですが一定数いる結果となったこともご紹介しました。この結果から、反抗期がいつ訪れるのかは、実に幅広く個人差があると言えます。
我が子の反抗期と向き合うために
終わりの見えない反抗期と戦うことは、親としても子としても気持ちが安定しづらくなってしまいます。しかし、家族として我が子の反抗期に立ち向かうという意味では、親子であり、仲間であるとも言えるでしょう。同じ問題に向き合うことで、敵意のないことを我が子に示しましょう。
反抗期の周囲の対応には模範回答がありません。だからこそ、早く終わることを願うよりも、目の前にいる我が子に全力で向き合ってあげましょう。
参考
「親子の関係についての意識と実態」 |明治安田生活福祉研究所
第二反抗期経験の有無と過剰適応が青年期後期の心理的自立と対人態度に与える影響|教育実践研究 : 富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要
反抗期の対処法 小学生・中学生の反抗期にどう対応するか?|楠木塾
反抗期の対応法 ~中学生の子を持つ親の心得~|楠木塾
思春期の子供の反抗期に対処する方法と悪化させてしまう親のNG言動|For your LIFE