通信制高校のスクーリングとは?学校選びの前に知っておきたいこと - cocoiro(ココイロ)

通信制高校を卒業するためには、74以上の単位を取得する必要があり、単位取得のために欠かせないのが、実際に学校に登校する「スクーリング」です。自宅学習が基本の通信制高校でも、学校ごとに決められた日数を登校しなければなりません。この記事では、通信制高校のスクーリングの内容について紹介します。

参考

高等学校学習指導要領解説総則編(P88)|文部科学省

通信制高校のスクーリングとは「面接指導」のこと

通信制高校では、「添削指導」と「面接指導」が学習の中心となっており、卒業するための単位取得にこの2つは欠かせないものです。添削指導とは、生徒が課題として作成したレポートを先生から添削してもらうことであり、実際に学校に通わなくても指導を受けることが可能です。対して面接指導とは、先生から対面で授業を受けることであり、実際に登校して指導を受ける必要があります。この面接指導のことを、スクーリングと呼ぶのです。

スクーリングのタイプと内容

スクーリングのタイプや内容は、学校によって違います。今回は、「通学型」「集中型」「合宿型」と大きく3つのタイプに分けました。それぞれのタイプの特徴とメリットについて、実例を交えながら紹介していきます。どのタイプのスクーリングがお子さんに合っているか見比べて、学校選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

定期的に登校して授業を受ける「通学型」

決められた日に登校して授業を受ける、一般的なタイプのスクーリングです。定期的に登校することで、生活リズムや学習リズムが整うというメリットがあります。全日制・定時制のような高校生活を楽しみたい場合におすすめです。

全国に学習センターを設ける通信制高校「鹿島学園高等学校」では、通学の頻度を週1~5日の中から自由に選択できるコースを設けています。登校する際の服装も、指定の制服もしくは私服の自由選択で、高校生活を自分好みにカスタマイズすることができます。

参考

学習スタイル|カシマの通信

短期間にまとめて授業を受ける「集中型」

定期的に登校するのではなく、短期間に集中して登校するタイプのスクーリングです。年に1度、数日間にわたって行われるのが一般的で、定期的に登校するのが難しい場合でも無理なく通えるというメリットがあります。日帰りのスクーリングなので、共同生活が苦手なお子さんでも安心です。

東京都国立市にある通信制高校「NHK学園高等学校」では、まとめて4日間のスクーリングで単位が取得できる「ネット学習集中コース」を設けています。本校は東京都ですが、北海道・宮城県・愛知県・大阪府・広島県・福岡県の高校をスクーリング会場として設けているため、全国各地から通うことができます。

参考

ネット学習集中コース |通信制のNHK学園高等学校

旅行気分で参加できる「合宿型」

年に1度リゾート地などで実施され、修学旅行のような感覚で参加できるタイプのスクーリングです。自然体験プログラムなど、通常のスクーリングでは受けられない授業が受けられるメリットがあります。共同生活を通して、生徒同士で深い交流ができることも魅力です。

屋久島の通信制高校「屋久島おおぞら高等学校」では、年に1度、5日間程度の屋久島スクーリングを全員参加で行います。ウミガメの観察やトレッキングなど、大自然の中で感動を共有するプログラムが組み込まれています。

参考

スクーリング|屋久島おおぞら高等学校

スクーリングの頻度

前述した3つのタイプのスクーリングのうち、登校の頻度が少ないのは集中型・合宿型のスクーリングで、通学型スクーリングは前者の2つよりも登校頻度が高い傾向にあります。

集中型・合宿型スクーリングは半年もしくは1年に1回、数日間というのが一般的です。対して通学型スクーリングの頻度は週に1~5日、もしくは月に1~2回と、生徒の希望によって柔軟に変更できる場合が多いです。