中学校、高校などで行われる職場体験の感想やレポートなどについて、ご家庭では気になるところでしょう。実際、職場体験は働くことの楽しさや辛さを学べるなど、さまざまな感想が寄せられています。今回は、職場体験の感想やレポート、期待される効果などについて詳しく解説します。
もくじ
職場体験の必要性とは?
では、職場体験の必要性は、どのようなところにあるのでしょうか? 以下に、必要性についてまとめました。
- 働くことの意義を理解
- 勤労観や職業観の育成
- 学校の学習と職業との関係性を理解
- 職業や社会生活に必要な知識、技能への関心、習得への理解
- 将来に対する主体的な進路決定の意識を培う
職場体験の感想やレポート
ここからは、職場体験の感想やレポートを見ていきましょう。生徒、保護者、事業所に分けて感想やレポートを記載していますので、ぜひ参考にしてみてほしいと思います。
生徒編
まずは、生徒の感想から。
感想①
働いていく上で知っておかないといけないマナー、働いて楽しいこと、働いてつらいこと、働くことの責任、一番身近な親への感謝。たくさん学びました。「挨拶」「言葉遣い」「身だしなみ」。この3つが働いていく上で最低限必要になってきます。お客様との会話、自分の仕事ぶりが少しでも認められた時、とても楽しかったり嬉しくなってきます。
(引用元:職場体験を終えての感想(生徒・保護者・事業所の方から)|広島県|中学校)
感想②
僕が職場体験を通して学んだことの中に、今すぐにでも実践したいことがありました。それは自分の生活態度をきちんとしたり、自分の部屋を丁寧に掃除したりすることです。なぜそう思ったかというと、仕事をしてみて、どの仕事も適当にやってできるものはなくて、どんな単純な作業でもいろいろな人が工夫を凝らして丁寧にやっていることがわかったからです。
(引用元:職場体験の感想No.2|浜松市立湖東中学校)
感想③
佐川急便で体験し、僕は様々なことを学びました。
(中略)
電話では大きくはきはきとした声でお客様に接していました。また、運送業は荷物を運ぶ力が必要で、荷物が常に届くため、休み時間が少なく大変だとわかりました。今回体験させていただき、普段何気なく荷物を出したり受け取ったりする裏では、こんなにも大変な仕事をしている人がいるということを知りました。
(引用元:職場体験の感想No.2|浜松市立湖東中学校)
感想④
- 集団の中で自分の意見をもつことの大切さが印象的だった。
- 小さな作業でも、みんな集中して仕事をしていた。楽しそうだった。
- お客様に喜んでもらえるような工夫が沢山あったこと
- 接客でどのようにすれば礼儀正しくできるかが難しかったこと
- 自分の手で一から商品を作ったこと。
- お客の笑顔のためにひたすら頑張る姿
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化局)
感想⑤
- 必ずしも全部が全部自分の望む仕事じゃないから、それをしっかり受けとめて、全力で行う。
- 進んで家事を行ったり、広い視点を持って物事をみたいと思う。
- 思いやったり、時に引いたりすることも人間関係において大切であり、実践したい。
- 自分にあった職業を選ぶことがとても大切だと思ったので、やりたいことを探していきたい。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化局)
感想⑥
- 他校と日時をかぶらせると自由に出来ず、行けなくなるから、そこを工夫してほしい。
- 体験先を自分で選べたので、希望していた所に行け、いろいろな体験先の発表を聞けました。
- 毎日働いている親がすごいなと改めて尊敬した。
- 「働く」ということは自分の成長に必要なことだと分かった。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告|東京都生活文化局)
生徒の感想には、挨拶、言葉遣い、身だしなみなどの基本的なことの大切さや働くことの責任、親への感謝などがあります。職業に関わるさまざまなことについて、あらためて考える機会となったことが分かります。
保護者編
次は、保護者の感想を見ていきましょう。
感想①
今まで体験したことのない経験ができ、とても本人のためになったと思います。最初は心配でいけなかったけれど、話を聞くうちに「あー、この子にこんなところがあるんだ、あんな所があるんだ。」と安心感に変わっていきました。我が子の優しさを感じられました。体の不自由な人の気持ち、仕事をすることの大変さを学ぶことができ、とても良かったと思います
(引用元:職場体験を終えての感想(生徒・保護者・事業所の方から)|広島県|中学校)
感想②
職場体験をひきうけて下さったからには、その職場のさまざまな仕事や他の人では知らない、体験したからこそ知り得ることを教えてほしいと思います。「忙しいから、させる仕事がないから」ということで3日間ずっと袋づめ、袋から商品を出すだけなど無言で3日間が終わるような体験はかわいそうです。それならば引き受けないでほしいと思いました。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化局)
感想③
将来、就きたいと思っている仕事への意識がより高まったのではと思います。電話で先方とお話をすることもとても良い経験であったと思いますし、体験後のレポート作成(プレゼン)も、より内容を深めるものであったと思います。ありがとうございました。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化局)
保護者からは、仕事をすることの大変さを学べた、先方との電話でのお話、レポート作成などを通して良い経験ができたなどという声がある一方で、袋詰めなどの体験だけではかわいそうといった、職場体験の内容に対する要望もあることが分かりました。
事業所編
ここからは、職場体験で生徒を受け入れた事業所の感想です。
感想①
私たちが子どものときも、こんな体験活動があればよかったと思う。今回はじめて受入れてみて、5日間では仕事の「良いところ」しか見せられなかった気がする。倍の10日間くらいあってもいい。来年も是非受入れたい。</引用元>
(引用元:職場体験を終えての感想(生徒・保護者・事業所の方から)|広島県|中学校)
感想②
<引用>仕事が少々きつかったようだが、がんばった。しかし、生徒を見ていて「生活の知恵」が不足しているように感じた。まずは、家の仕事や手伝いをしっかりすること。これを、しっかり指導してほしい。
(引用元:職場体験を終えての感想(生徒・保護者・事業所の方から)|広島県|中学校)
感想③
- 毎日の研修終了時の終礼で、当日感じたことを1人1分間程度スピーチしてもらったが、日々話の内容がレベルアップしていくように感じました。
- 「いらっしゃいませ」の声掛けを日々行い、お客様より「お褒めのお言葉」 を生徒がいただいた。
- 当初は不安も大きい様子だったが、体験を終えて意見も出るようになった。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化書)
感想④
- 取組姿勢については、個人差が見られ、意識が高い学生もいた。また、職場体験ノートなどに 保護者からのコメントもあり、家庭によっても意識の違いが感じられた。
(中略)
- 職場実習を通じて、どういったことを教育したいのか学校なりの特色や提案がほしい。一部、企業に丸投げをしている学校が見られます。
(引用元:平成30年度わくわくWeekTokyo|中学生の職場体験報告書|東京都生活文化局)
感想には、職場体験の期間が倍の10日間くらいあっても良い、生活の知恵が不足しているように感じた、生徒から意見も出るようになったなどの声があります。事業所が職場体験にしっかりと取り組み、生徒たちの成長を見守っていることが分かります。また、学校なりの特色や提案がほしいといった内容もあり、学校と事業所の連携など、まだまだ改善点もあるようです。