知能検査と聞くと何やらとても大仰な印象を受けますが、子供の発達状態や障がいの有無を知るための一つの指標として使われています。
知能検査にはいくつかの種類がありますが、この記事では田中ビネー式知能検査がどのようなものかをご紹介します。
もくじ
田中ビネー式知能検査って何?
田中ビネー式知能検査は、心理学者の田中寛一氏が1947年に示した知能検査です。どのような検査内容なのか、何を測定するのかなど、詳しい内容を見ていきましょう。
そもそも知能検査ってどんなもの?
知能検査とは、そもそも与えられた環境の中で生きていくための認知能力や判断機能などを総合的に測る検査のことです。
子供の場合、秀でている面よりも劣っている面・不得意な面が目につきやすいため、知能検査・発達検査というと悪いイメージを持ってしまうことがありますが、それは違います。
その子、人がどのような特性を持ち、何が得意で、何が苦手なのか……個性を多角的に捉え、支援が必要な場合は適切な支援に役立てるためのものなのです。
田中ビネー知能検査とは?
田中ビネー式知能検査は、日本の文化や生活に適した知能検査の一つです。1947年の出版後1954年、1970年、1987年に改訂され、現在は2003年に改訂された田中ビネー知能検査V(ファイブ)が使用されています。
田中ビネー式知能検査では個人対個人で検査が行われます。知能検査は精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比によって表されますが、田中ビネー知能検査Vでは14歳以上の場合は精神年齢を算出せずに偏差値知能指数を求めるように作られているのが特徴です。
また実施年齢が2歳から成人までと幅広く設定されているのも特徴で、実施時間も60分から90分と実施の手順も簡単になっています。
田中ビネー知能検査で何ができる?
田中ビネー式知能検査は1歳級~13歳級(精神年齢)までの問題と、成人の問題に分類されています。田中ビネー式知能検査には通常の知能検査の他に「就学児版田中ビネー知能検査V」というものがあります。これは多くの学校で小学校入学前の就学時検診に用いられており、小学校入学に際して特別な配慮が必要かどうかを示す指標とされています。
LD(学習障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)、高機能自閉症などが考えられる場合には、専門機関を受診し、専門家の元で検査を受けると、子供の特性が分かります。