成長に必要な栄養を子供がきちんと摂取できているか、心配な親御さんも多いのではないでしょうか。栄養成分の1つであるビタミンB6は、私たちの体の働きに必要不可欠なビタミンの1つです。当記事では、ビタミンB6がどのような食品に多く含まれているか、また子供が1日に必要なビタミンB6の目安などについて詳しく解説します。
ビタミンB6とは?
ビタミンB6は、ビタミンの中でも水溶性ビタミンの1つです。皮膚炎を予防することから発見されたビタミンとして知られており、腸内細菌によって私たちの体内でもつくることができます。
ビタミンB6の働き
ビタミンB6は酵素の働きを助ける成分として、アミノ酸の代謝を助けています。食物に含まれるタンパク質をエネルギーに変えるときや、筋肉や血液などがつくられるときに必要となるので、タンパク質をたくさん摂取する人はそうでない人と比べてより多くのビタミンB6が必要となります。また、皮膚や粘膜の健康維持、胎児期および乳児期の脳の発達や免疫機能などにも関与していることで知られています。
ビタミンB6が不足するとどうなる?
ビタミンB6はたくさんの食品に自然に含まれており、腸内細菌によってもつくられることから、一般的には不足しにくいビタミンと言われています。しかし、ビタミンB6が不足すると以下のような異常が起こることもあるため、十分な摂取を心がけましょう。(なお、薬やサプリメントで摂取する場合を除いては、通常の食生活で取り過ぎになる心配はほとんどありません。)
ビタミンB6の不足により現れる症状
- 皮膚炎
- 口角症
- 口内炎
- 貧血
- リンパ球減少症 など
【年齢別】ビタミンB6の必要摂取量
それでは、1日に必要なビタミンB6の目安を年齢別に見ていきましょう。
ビタミンB6の1日の食事摂取基準(mg)¹
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量² | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量² |
0~5(月) | ー | ー | 0.2 | ー | ー | ー | 0.2 | ー |
6~11(月) | ー | ー | 0.3 | ー | ー | ー | 0.3 | ー |
1~2(歳) | 0.4 | 0.5 | ー | 10 | 0.4 | 0.5 | ー | 10 |
3~5(歳) | 0.5 | 0.6 | ー | 15 | 0.5 | 0.6 | ー | 15 |
6~7(歳) | 0.7 | 0.8 | ー | 20 | 0.6 | 0.7 | ー | 20 |
8~9(歳) | 0.8 | 0.9 | ー | 25 | 0.8 | 0.9 | ー | 25 |
10~11(歳) | 1.0 | 1.2 | ー | 30 | 1.0 | 1.2 | ー | 30 |
12~14(歳) | 1.2 | 1.4 | ー | 40 | 1.1 | 1.3 | ー | 40 |
15~17(歳) | 1.2 | 1.5 | ー | 50 | 1.1 | 1.3 | ー | 45 |
18~29(歳) | 1.2 | 1.4 | ー | 55 | 1.0 | 1.2 | ー | 45 |
妊婦(付加量) | +0.2 | +0.2 | ー | ー | ||||
授乳婦(付加量) | +0.3 | +0.3 | ー | ー |
¹ たんぱく質食事摂取基準の推奨量を用いて算定されています(妊婦・授乳婦の付加量は除く)。
² 食事性のビタミンB6ではなくピリドキシン(ビタミンB6が最終的に分解され吸収される化合物)としての量を示しています。
(日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要, p23より筆者作成)
- 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
- 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
- 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
- 耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量
(引用元:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット)
【グループ別】ビタミンB6を多く含む食品ランキング
ビタミンB6の1日の推奨量を摂取するためには何をどのくらい食べればいいのでしょうか。ビタミンB6を多く含む食品のランキングをグループ別にまとめました。
ビタミンB6を多く含む野菜類
順位 | 食品名 | 100gあたりの成分量(mg) |
1 | 唐辛子(果実・乾燥) | 3.81 |
2 | にんにく(りん茎・油いため) | 1.80 |
3 | にんにく(りん茎・生) | 1.53 |
4 | かぶ(漬物・塩漬け・葉) | 1.10 |
5 | とうがらし(果実・生) | 1.00 |
ビタミンB6を多く含む果物類
順位 | 食品名 | 100gあたりの成分量(mg) |
1 | バナナ(乾燥) | 1.04 |
2 | マンゴー(ドライ) | 0.43 |
3 | バナナ(生) | 0.38 |
4 | プルーン(乾燥) | 0.34 |
5 | アボカド(生) | 0.32 |
ビタミンB6を多く含む肉類
順位 | 食品名 | 100gあたりの成分量(mg) |
1 | レバー(生) | 0.89 |
2 | ビーフジャーキー | 0.85 |
3 | ヒレ肉(焼) | 0.76 |
4 | 七面鳥(皮なし・生) | 0.72 |
5 | スモークレバー | 0.66 |
ビタミンB6を多く含む魚介類
順位 | 食品名 | 100gあたりの成分量(mg) |
1 | みなみまぐろ(赤身・生) | 1.08 |
2 | みなみまぐろ(脂身・生) | 1.00 |
3 | びんなが(生) | 0.94 |
4 | くろまぐろ(赤身・生) | 0.85 |
5 | くろまぐろ(脂身・生) | 0.82 |
ビタミンB6を多く含む穀類
順位 | 食品名 | 100gあたりの成分量(mg) |
1 | 米ぬか | 3.27 |
2 | 小麦胚芽 | 1.24 |
3 | そば粉(表層粉) | 0.76 |
4 | アマランサス(玄殻) | 0.58 |
5 | こめ(玄米) | 0.45 |
(食品成分データベース|文部科学省より筆者作成)