クリスマスシーズンになると、緑色のギザギザの葉っぱと赤い実をよく見かけるでしょう。クリスマスリースやクリスマスツリーの飾りのほか、壁などの装飾として使われていますが、名前を知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではギザギザの葉っぱと赤い実の名前や由来を紹介するとともに、クリスマスを代表する花をご紹介します。ギザギザの葉っぱと赤い実に興味のある方や、クリスマスにどんな花を飾るか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
もくじ
クリスマスに飾るギザギザの葉っぱや赤い実の正体
クリスマスシーズンになると街でよく見かけるギザギザの葉っぱや赤い実の名前や、クリスマスに飾る理由について解説していきます。
名前は『セイヨウヒイラギ』
ギザギザの葉っぱと赤い実の植物は『セイヨウヒイラギ』といい、別名クリスマスホーリーと呼ばれています。花言葉は『将来の見通し、神を信じます』です。ギザギザした葉っぱの形がヒイラギと似ているので同じ種類なのでは? と思うかもしれませんが、セイヨウヒイラギとヒイラギはまったく別の種類です。
セイヨウヒイラギ
- モチノキ科モチノキ属
- 11~12月ごろに赤い実がなる
- 4~5月ごろに花を咲かせる
ヒイラギ
- モクセイ科モクセイ属
- 6~7月ごろに黒っぽい紫色の実がなる
- 11~12月ごろに花を咲かせる
上記のように日本に咲いているヒイラギとは属性が異なります。セイヨウヒイラギとヒイラギの似ているところといえば、ギザギザした葉っぱの形くらいではないでしょうか。
なぜヒイラギと同じ種類ではないのにセイヨウヒイラギという名前がつけられたのかというと、【ヒイラギの葉っぱと形がよく似ている】からなのです。英語では「English holly(イングリッシュホーリー)」)と呼ばれています。
クリスマスにセイヨウヒイラギを飾る理由
クリスマスになぜセイヨウヒイラギを飾るのでしょうか。単にクリスマスシーズンに実がなるということだけでなく、昔からの言い伝えや由来があります。クリスマスにセイヨウヒイラギを飾る理由は以下の4つだと言われています。
- いばらの冠に似ている
- 常緑樹で縁起がいい
- キリストの赤い血を表している
- 魔除けとされている
これらを詳しく解説していきます。
いばらの冠に似ている
セイヨウヒイラギがクリスマスに飾られるようになったのはいばらの冠に似ているからだと言われています。いばらの冠とは、キリストが十字架に張り付けにされ処刑されるときに頭にのせられた『とげのある植物で編み込んだ輪っか』のことです。キリストの十字架像を思い浮かべてもらうと想像できるのではないでしょうか。
クリスマスリースはキリストの頭にのせられたいばらの冠をモチーフとして作られ、いばらを表現するためにセイヨウヒイラギが使われました。セイヨウヒイラギを使ったクリスマスリースを玄関などに飾ることでキリストの存在を忘れないという信仰の意味が込められています。
常緑樹で縁起がいい
セイヨウヒイラギは一年中緑色の葉っぱをつける『常緑樹』です。ちなみに、クリスマスツリーに使われるモミの木も『常緑樹』です。
冬でも枯れることなく生き生きとした葉っぱをつけていることから、キリストから与えられた永遠の命を象徴していると言われています。
キリストの赤い血を表している
また、セイヨウヒイラギの赤い実はキリストが十字架に張り付けにされ、処刑されたときの血の色を表しています。
キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物がセイヨウヒイラギとされており、聖なる木と呼ばれています。セイヨウヒイラギの花は真っ白で、キリストの誕生を表しています。
魔除けとされている
セイヨウヒイラギを飾ると悪魔がやってこないと言われています。キリストと母マリアがユダヤの王であるヘロデ王から逃れていたとき、身を隠したヒイラギがすぐさま成長し、キリストと母マリアを覆い隠したと言われています。
この言い伝えから、セイヨウヒイラギを飾ると魔除けになるとされています。