子供の教育の方針や方法について悩む親御さんも多いかもしれません。子供が学校に行きたがらなかったり、子供の挙動が気になったりと、子供の教育や発達に悩みごとがある場合は、教育相談を活用することができます。子供や保護者だけでなく、学校や教員の悩みごとの解決に向けて行われる相談が教育相談です。今回は教育相談の具体的な事例や、相談の方法について紹介します。
もくじ
教育相談とは
現代社会では、貧困による教育格差や子供のいじめ、不登校問題など、子供の抱える問題が多様化し、深刻化するケースも増えてきています。このようなさまざまな問題に対して対応するために教育相談窓口を設け、子供の教育や発達における問題に対応していく必要があります。
教育相談とは、子供の教育や発達に関わる問題について、子供本人、保護者、学校の教員に向けて行われる、心理的、または教育的援助のことをいいます。教育相談というと、学校から勧められて相談に行くというイメージがあるかもしれませんが、悩みごとがあればいつでも相談することができます。
教育相談の具体的な事例や内容について
教育相談で相談することができるのは、18歳までの子供のほか、保護者や学校の教員など、子供の教育や養育に関わる人が対象となります。学校や、校内に属するスクールカウンセラー、地域の教育相談センター、特別支援学校などで教育相談をすることができます。それでは、教育相談の具体的な内容について、詳しく紹介します。
教育相談の主な内容は二つ
教育相談の内容は、主に2つに分けることができます。まず一つ目は、問題を抱えている相談者が専門家に相談をする、問題解決型の教育相談です。学校以外の機関が行う匿名での電話相談もあれば、特別支援学校や教育委員会などが行う、発達が気になる乳幼児の保護者への子育て相談などがあります。二つ目は、問題が起こる前の予防策として行われる、学校の教職員向けの教育相談です。教員が学級活動の中で児童に対して行うロールプレイングや感情コントロールのトレーニングについて相談することができます。
教育相談では、問題が起こったときのみに行われる相談だけではなく、主体的に問題解決をすることができるよう、随時支援も行っています。気軽に相談できる体制作りが求められ、学校を中心として教育センターや特別支援学校、NPOなど、地域全体で体制作りが進められています。
子供が小学生の場合
小学校における教育相談で一番多いのが、子供の親からの相談だといいます。また、教員からの教育相談も多いといいます。相談内容としては、学校における対人関係や集団生活の難しさ、言葉の遅れや行動障害、自閉症や発達障害の子供に関する対応方法など、多岐にわたります。
自閉症や発達障害など、専門家の知識が必要になるケースもあることから、早めに相談することで家族や教員の精神的負担の軽減につながります。また、「子供が片付けができない」「授業についていけない」といった相談に対しても、個別の子供に対する対応方法を理解することで、問題解決へと役立てることができます。
参考
小学校における教育相談の取り組みと今後の課題|大分市立鶴崎小学校 LD・ADHD通級指導教室/教育相談担当高倉和子
子供が中学生の場合
思春期を迎える中学生になると、対人関係はもちろん、高校進学に対する教育相談も増えてくるかもしれません。しかし、中学生の相談で最も多いのが、不登校に関する問題だといわれています。不登校の場合は学校復帰支援が必要になることから、地域のフリースクールの活用や訪問による学習指導など、子供に合わせた支援方法で教育をサポートする必要があります。
また、集団生活になじめないときの対応や情緒不安定、学業不振の相談など、精神的サポートや学習サポートに関する相談も多いようです。
子供が高校生の場合
高校生になると、生徒本人からの相談が多くなり、対人関係など、コミュニケーションの悩みを抱える生徒が増えているといいます。「授業でのグループ活動が苦手」「高校に入学したのに友達を作ることができず、不登校になってしまった」「休み時間はいつも保健室や図書室にいる」などと、対人関係の未熟さや社会不安症などで、専門家によるサポートが必要なケースも存在します。
また、大学進学に向けた学習方法の相談や、教育ローンなどの就学サポート相談なども多くなる時期でしょう。