【中学校・高校・大学】キャリア教育とは?お役立ち情報も紹介 - cocoiro(ココイロ)

キャリア教育は、就学中に実施される教育プログラムの一つです。最近、よく耳にする教育関連のキーワードでもあり、学習指導要領にも盛り込まれています。

特に中学校・高校・大学では、実際に働いている方を招いたワークショップや講演会を行うなどをして、学生たちに職業観や労働観について知る機会を与えている傾向にあります。

この記事では、中学校・高校・大学におけるキャリア教育について紹介していきましょう。

キャリア教育とは何か?

キャリア教育とは、学校教育の中で、生徒や学生たちが自立した社会人として必要な職業スキルを習得することを目的としています。1990年代半ば以降、ニートやフリータ-といった非正規雇用の若者が多くなり、社会問題化したことをきっかけに、早い段階から働く意義を知ってもらう目的で誕生した教育です。

また、各学齢、学年や学校の特色などによってカリキュラムには違いがあるものの、生徒・学生が働くことの意義を知ることと、自分の進路を自ら決められる力をはぐくむことが「ねらい」となっているのは、どの教育機関でも共通です。

キャリア教育の特徴について

中学校・高校・大学のキャリア教育が、どのように取り組まれているか知りたいという方もいるかもしれません。

この章では、中学校・高校・大学のキャリア教育の特徴を中心にピックアップしていきましょう。

中学校におけるキャリア教育

キャリア教育は、心の成長に個人差がある中学生でも対応できるよう、生徒の状況を考えたプログラムを展開しているのが特徴です。

取り組みとカリキュラム

中学校におけるキャリア教育は、最初から働いている方と触れるのではなく、自己の人格形成・人間関係の形成・社会形成能力の育成が軸となっているのが特徴。まずは、自分の良さや個性を認識し、他者の違いを尊重できるよう生徒をサポートします。

さらに中学2年から3年にかけては、将来の目標が達成するにはどうしたらいいか考える機会を与えています。

研修・ワークショップ実例

実際に行われた中学校でのキャリア教育について次の通りまとめてみました。

中学校/学年 キャリア教育内容
東京都港区立赤坂中/1年 ・夢発見プログラムとしてWOWOWの方を招き、「おもしろい仕事人がやってくる!」「コミュニケーションゲーム」の講演会を実施
私立目黒星美学園中/2年 ・「自分について知ろう」をテーマに、これまでの自分史を作成し、20年後の自分をイメージしたプリントを完成させる
私立白百合学園中/3年 ・古都の伝統文化について研究し、実際に体験し、講演も実施

in 港区 実施後インタビューVo.2 – report3.pdf|企業の子ども応援プロジェクトトピックス一覧|目黒星美学園中学高等学校キャリア教育|キャリア教育 / 進路|白百合学園中学高等学校より筆者作成)

高校におけるキャリア教育

高校でのキャリア教育は、中学校で学んだキャリア教育をベースとし、より深く職業観などを理解することがポイントです。

取り組みとカリキュラム

高校で展開するキャリア教育は、中学校よりも自己理解が深まるように取り組んでいます。加えて、現場の方と交流することで、進路をより現実的に考えるとともに、自己の将来設計ができるよう促しています。

研修・ワークショップ実例

高校で実施されるキャリア教育に関連した研修とワークショップは、体験型と座学の2つがメインです。

また、大学付属の高校の場合、大学の先生を招いたキャリア教育も受講できるので、早い段階で大学のことが分かる仕組みとなっています。

高校名/学年 概要
私立海城高等学校/1年 ・デジタルハリウッド大学の学長であり海城OB・杉山友之氏を招いた講演会を実施

※デジタルコミュニケーションの世界と日本の現代文化がテーマ

東京都立小山台高等学校/1年 ・都内の図書館で文献検索研修を実施、館内の書籍の検索方法を学ぶ
私立明治大学付属明治高等学校/2年 ・明大の教員が毎週2時間、生徒に対し授業を実施

※さまざまな視点から進路選択するよう促す

進路指導・キャリア教育について|海城中学高等学校探究型学習プログラム『MIRAI』|東京都立小山台高等学校高大連携プログラム|明治大学付属明治高等学校・中学校 より筆者作成)

大学におけるキャリア教育

大学のキャリア教育は、就活や職業と直結した内容が多いのが特徴。社会人としてのマナーに関する講座もラインナップされています。

また、大学のホームページの中には、「キャリア支援」というキーワードも多く、学生たちのキャリアに関する教育を提供するだけでなく、支援する役割も担っています。

取り組みとカリキュラム

近年、大学では、教育カリキュラムのブラッシュアップが著しく、キャリア教育も必須科目に盛り込まれており、充実しているのが特徴です。

研修・ワークショップ実例

大学で行われているキャリア教育関連の研修やワークショップは、実にたくさんあります。その中でも、主要なものの内容をピックアップしてみました。

大学名 概要
中央大学経済学部 ・大手企業の協力のもと、産学連携によるプログラムを実施
・企業や自治体でのインターシップ(就業体験)
※1年次から参加可能
電気通信大学 ・産業界で活躍する方を招いた講義を実施
・夏季集中講座として企業見学を実施
※講義や見学を通して気づきを行動につなげる
成蹊大学 ・「丸の内ビジネス研修(MBT)」と称し、3年次または大学院1年次の学生が受講

※学内での準備研修→丸の内研修を受講した後、インターシップの3ステップで構成

横浜国立大学 ・キャリアデザイン関連の科目「地域連携と都市再生」、実践および就業体験志向科目「地域課題実習」などの履修が可能

キャリア教育|中央大学キャリア教育│電気通信大学丸の内ビジネス研修(MBT)|成蹊大学 キャリア支援センターキャリア教育科目の紹介|横浜国立大学 より筆者作成)