今年は9月13日が十五夜(中秋の名月)です。十五夜に欠かせない月見団子ですが、地域によってお供えする団子に違いがあるのをご存知でしょうか。今回は名古屋で一般的な月見団子はどのようなものか解説するほか、あまりなじみのない全国の月見団子もあわせてご紹介します。
もくじ
名古屋の一般的な月見団子とは?
名古屋の一般的な月見団子は、いったいどのような形なのでしょうか。色や味についても詳しく解説していきます。
形は「しずく型」、色は「3色」!
(参照元:akiko11suzuki|Instagram)
名古屋の月見団子は、細長いしずくの形「しずく型」です。しずく型とは上が細く、下がぷっくりと膨らんでいる形をいいます。
色は白、茶、ピンクの3色です。3色団子といえば、白・緑・ピンクのものを想像する人も少なくないでしょう。名古屋の月見団子は緑ではなく茶で、1色違うのがポイントです。名古屋近辺の在住者にとってはスタンダードな月見団子でも、県外から来た人にとっては、「これ何?」と少し不思議に感じる色形をしているかもしれません。
しずく型の理由
名古屋では十五夜を「芋名月」と呼び、里芋を供える風習があります。名古屋の月見団子は、お供えする里芋をイメージして作られました。ですから、名古屋の月見団子はメジャーな「白丸型」ではなく、「しずく型」なのです。
3色の理由
名古屋の月見団子は白、茶、ピンクの3色が一般的です。団子の形と同じように「芋名月」の里芋を連想したもので、それぞれの色には以下のような理由があります。
白 | 皮なし里芋 |
茶 | 皮つき里芋 |
ピンク | 子供の好きな色 |
参考
名古屋のお月見団子は3色なんです!!|ホテルキヨシ名古屋 スタッフブログ
名古屋の月見団子、気になる味は?
名古屋のご当地ネタを集めた『名古屋あるある』(ティー・オーエンタテインメント)の著者・大山くまおさんは、自身の運営するウェブサイトで、名古屋の月見団子の味について以下のように書いています。
さらに違うのが食感と味です。そもそも、お月見団子と呼ばれているにもかかわらず、名古屋のお月見団子は素材も味も団子ではありません。ういろうと同じ材料で作られています。つまり、東京で言うところの「すあま」です。
(引用元:名古屋のお月見だんごは「しずく型」で3色・丸いのはマンガでしか見たことが無い|TOPPY.NET トッピーネット)
素材も味も団子ではないとは、興味深い話です。ういろうと同じ素材で、「すあま」と考えると、味の想像がつく人もいるのではないでしょうか。
ちなみに、大山さんによると、名古屋の月見団子はどれもしっかり甘いそうです。ピンクは色がついているだけで白と同じ味ですが、茶色だけは黒糖で作られており味が異なります。いずれも弾力がある食感が楽しめます。