お盆とは、先祖や亡くなった人たちが浄土から地上に戻ってくる期間といわれていて、先祖の精霊をお迎えし供養を行います。亡くなって四十九日を迎えてすぐのお盆で供養を行ったり、お盆休みに帰省をしてお墓参りをするのにもきちんとした意味があるのです。
正式な供養を行う際は、お坊さんにお布施を渡すことになりますが、お布施の相場やマナーに関しては詳しくご存じでしょうか?
この記事では、お盆のお布施に関する情報をご紹介します。今までよく知らなかったという人も今後の知識として、ぜひ参考にしてください。
お布施とは
お布施とは、お坊さんに読経や戒名を頂いた謝礼として金品を渡すことをいいます。お葬式の際には戒名を頂きますが、お盆の際にはすでに戒名を頂いている場合がほとんどなので、読経に対する謝礼と考えるべきでしょう。自宅やお寺での供養などがありますが、実際にお坊さんの時間を頂き、供養をお願いしていることになるのでお布施は必要になります。
またお坊さん個人にではなく、本尊にお供えするという考え方もあります。
お布施の相場
一概にお布施といわれても、どのくらいの金額を包むのかは頭を悩ませるところです。あまりに少なければ失礼にあたりますし、反対に高額すぎるのも考えものです。ここではお布施の相場を2つのケースに分けてご紹介します。
新盆・初盆
故人が亡くなってから四十九日後、初めて迎えるお盆のことを「新盆(にいぼん・あらぼん・しんぼん)」「初盆(はつぼん)」といいます。地域によって呼び方は異なりますが、通常のお盆よりも念入りな供養が行われることがほとんどです。
通常のお盆と新盆・初盆の大きな違いは、親族や友人などを招いて、住職に読経をあげてもらい供養をするという点です。
首都圏石材協同組合の運営する『もしもドットネット』が行った調査によると、新盆や初盆の供養で実際に包んだお布施は以下のようになっています。
【新盆のお布施】
(参照元:アンケート調査結果 戒名代・お布施はいくらくらい?|もしもドットネット)
このアンケート結果によると、喪主経験ある・なしどちらの場合も、約8割の人が30,000円以内のお布施を渡していることがわかります。供養を行う場所や檀家の有無によっても異なりますが、おおよそ30,000円以内が目安となります。またお布施とは別に、自宅に来てもらう場合などは、別途「お車代」として5,000~10,000円を包むケースもみられます。
通常のお盆
通常のお盆の場合にも読経をお願いするとお布施は必要になりますが、新盆・初盆のときとは相場が異なります。
お布施は一般的なサービスと異なり、価格設定がなく目安となるものがないので難しいですが、おおよそ5,000円以上20,000円以内という金額がほとんどです。
檀家として普段から住職さんとお付き合いがある場合には、失礼のない範囲でお布施の金額を聞いてみるのも良いかもしれません。
参考
お盆に渡すお布施はいくら?相場と渡し方のマナーを解説|お坊さん便
お布施のマナー
冠婚葬祭でのマナーを知らないと、恥をかいてしまうことがあります。これはお布施も同じこと。ここではお布施のマナーについて詳しくご紹介します。
お布施の渡し方
お布施を渡すときには渡し方のマナーがあります。ここでは2つのポイントを押さえておきましょう。
お盆にのせる
お布施は、直接手渡すのは望ましくありません。切手盆(きってぼん)・祝儀盆と呼ばれる黒いお盆にのせて渡すのが一般的な作法とされています。
葬儀の場合のお布施とは異なり、お盆の供養はある程度落ち着いたタイミングになるので、お布施をのせるお盆をあらかじめ用意しておきましょう。
袱紗(ふくさ)に包む
お盆が用意できない場合は、袱紗でも問題ありません。袱紗を用いる場合は弔事に合わせた方法で行います。
- ダイヤの形になるよう袱紗を広げ中央より右側に封筒を置く
- 右→下→上→左の順に包む
- 渡す際は、袱紗から封筒を取り出して、袱紗の上にお布施をのせて僧侶に渡す
また袱紗の色は、弔事の場合
- 紺
- 深緑
- 灰緑
- 緑
- うぐいす
- 灰青
- グレー
- 紫
といった落ち着いた色が好ましいとされています。近年ではリバーシブルで慶事と弔事の両方に利用できる袱紗もあるので、使う際には弔事用の色が表側にくるよう、くれぐれも包み方を間違えないようにすることが大切です。