消しゴムは日常生活でよく使われるアイテムです。特に子供は学校の授業で鉛筆と消しゴムを毎日使います。鉛筆で書いた文字を消すための道具である消しゴムですが、実は家庭でも簡単に手作りすることができます。昔はパン切れを使って文字を消していたと言われていますが、ガムやホタテなどの食材で消しゴムを作ることができます。
当記事では、そんな消しゴムの基本的な作り方や消しゴムの歴史について紹介します。
もくじ
消しゴムの歴史
そもそも、消しゴムは何からできているのでしょうか。消しゴムという名前のとおり、ゴムでできていると考える人が多いかもしれませんが、実は消しゴムの材料はゴムだけではありません。消しゴムが作られるようになった歴史と、近年使われているプラスチック製の消しゴムについて紹介します。
1770年、天然ゴムで消しゴムを作り始めた
消しゴムは、1770年にイギリスのジョセフ・プリーストリーという科学者が天然ゴムを使って鉛筆の字を消すことを発見したことが起源となっています。その後、のちに消しゴムの材料となるサブスチチュートが発見され、改良を重ねて現在の消しゴムが完成しました。サブスチチュートは植物油と硫黄を混ぜて粉状にしたものですが、2年後の1772年にはイギリスで初めて角砂糖ほどの大きさの消しゴムが売られるようになります。その後、消しゴムは海外へと広まり、全世界で消しゴムが使われるようになったと言います。
近年はプラスチック製が主流
塩化ビニールを原料としたプラスチック製の消しゴムは、1950年代になってようやく登場しました。それまでの消しゴムの材料は、ゴムの木から取れる生ゴムやサブスチュートがメインでしたが、明治時代に義務教育が始まると、子供たちが勉強をするために鉛筆や消しゴムを使うようになり、日本国内で消しゴムの製造がスタートするようになりました。
最初は外国製の消しゴムのように字をきれいに消せる消しゴムがなかなか作れなかったものの、塩化ビニールを研究していたある技術者が、研究室で図面を描いていた際に消しゴムの代わりに塩化ビニールの端で文字を消したことがきっかけとなり、プラスチック消しゴムを作ることを思いつきます。その後、本格的に製造され、1956年以降になってプラスチック製の消しゴムが普及するようになりました。プラスチック製の消しゴムはゴム製の消しゴムと比べてにおいや色をつけるのが簡単にできるという特徴を持っています。
消しゴムの作り方
それでは、消しゴム工場で行われている消しゴムの基本的な作り方について紹介します。消しゴムは主に3つの工程によって作ることができます。
1. 材料を配合する
まずは、消しゴムの材料を配合していきます。主な消しゴムの材料であるポリ塩化ビニールと呼ばれるプラスチックと可塑剤(かそざい)を混ぜ合わせます。機械の中にそれぞれ正しい分量を入れ、よく混ぜ合わせていきます。このとき使われる材料は、車を洗うときなどに使われるビニールホースとほぼ同じと言われています。
2. 熱を加えて固めていく
材料を混ぜ合わせたら、次に熱を加えながら固めていきます。熱を加えながら混ぜ合わせることでプラスチックと油がくっつくようになるため、加熱温度と時間を計算しながら消しゴムに最適な固さに調整していきます。ここで完全にくっついてしまうと、ビニールホースのようになってしまうと言われています。
3. 形を作る
次に、消しゴムの形を作っていきます。形作りには、主に3つの方法があります。まず1つ目が、押し出して作る方法です。プラスチックと油がよく混ざったら、管の中から押し出して固めていきます。この場合は、長いかまぼこのような形になります。
2つ目の方法が、圧縮と呼ばれる方法です。薄い板のような形をした型に流し込み、上からつぶして固めていきます。仕上がりとしては、野球のホームベースを大きく引き伸ばしたような形になります。
そして3つ目が、射出(しゃしゅつ)と呼ばれる方法で、消しゴムの大きさに作られた型に流し込んで固めていきます。キャラクターの消しゴムなど、すでに形が決まっている場合によく使われる方法です。