児童手当は家計の大きな足しになります。しかし、児童手当の受給には所得制限があります。所得制限をわずかでも超えると、支給額が変わりますので注意が必要です。
今回は児童手当の所得制限についてまとめました。所得制限を超えなければ、生まれてから中学校卒業までに、1人当たり総額200万円ほどもらえます。ちょっとしたウッカリで、支給金がもらえないのはもったいないことです。
記事をご自身、あるいは配偶者の所得などと照らし合わせ、しっかりともらえる環境を整えていきましょう。
もくじ
児童手当の所得制限はどう変わった?
2012年4月から、「子ども手当」が「児童手当」に名称が変わり、児童手当の支給額などが変わりました。
そもそも児童手当は収入の少ない家庭をフォローするための制度。扶養する子供の数に応じて、所得制限も設けられています。
また、児童手当は申請しないともらえません。本当は児童手当がもらえるのに申請しておらず、もらっていない家庭などは、さかのぼって受給できる可能性もありますので、チェックしてみましょう。
2012年からの正式な決定内容
2012年6月分からは、以下の額が支給されるようになりました。
0歳~3歳未満の子供 | 一律15,000円 |
3歳~小学生の間 | 第1子と第2子は10,000円 第3子以降は15,000円 |
中学生 | 一律10,000円 |
しかし、親が所得制限限度額以上の金額を稼いでいる場合、「特例給付」として、子ども1人につき月額5,000円が支給されます。
第3子以降とは、高校を卒業するまでの子供のうち、3人目以降をさします。
例えば、
- 長女が20歳で大学生
- 長男が18歳で今年度卒業予定
- 13歳の次女
- 10歳の次男
というような構成で、子供4人がいる場合、児童手当における「第3子」は10歳の次男になります。
そのため、親の所得が所得制限限度額以内ならば
次女(第2子)10,000円+次男(第3子)15,000円=25,000円
の額がもらえます。
実際は障害年金など、他の条件が加味されます。詳しくは最寄りの自治体に相談してください。
改めて手続きは必要か
2012年4月分以降の児童手当を受給するには申請が必要です。
2012年の3月まで児童手当を受け取っていた家庭は、基本的に申請が免除されていますので、続けて児童手当が支給されていると考えられますが、こちらも問い合わせが必要でしょう。
(参照元:児童手当Q&A ~平成24年4月から新しい児童手当が始まります!~|内閣府)
所得限度額について
所得制限限度額は、児童手当受給者の前年12月31日の扶養親族の人数によって限度額が決まります。
父母が共働きの場合、子供を扶養家族として申請している人が児童手当をもらいます。
「税金の支払いなどを考慮すると、妻が扶養者になった方がいい」という場合は、夫ではなく妻の方が税金を支払い、児童手当をもらうといいでしょう。
おおむねの所得限度額一覧
扶養親族等の数 所得額(単位:万円) 収入額(単位:万円)
0人 622 833.3
1人 660 875.6
2人 698 917.8
3人 736 960
4人 774 1002.1
5人 812 1042.1
(引用元:児童手当Q&A ~平成24年4月から新しい児童手当が始まります!~|内閣府)
扶養親族の人数が増えれば限度額も上がります。所得が限度額を超えると、子供1人につき5,000円しかもらえなくなることになります。
収入ではなく所得が肝心
児童手当における所得制限限度額以下というのは、収入ではなく、所得が限度額以下かどうかが重要です。
会社員の場合
収入 ― 給与所得控除 = 所得(課税される所得金額)
自営業(個人事業主)の場合
収入 ― 必要経費 ― 各種控除 = 所得
課税されるのは所得なので、所得制限限度額も所得で計算します。