「帰国子女に憧れる」という意見はよく聞かれることです。外国語が堪能で異文化への理解が深く、コミュニケーション能力に長けている。そんなイメージを持たれている方も少なくないのではないでしょうか?
仕事の関係で実際に海外で暮らすことになった家庭や、現在進行形の家庭もあるでしょう。グローバル化が急速に進む現在の日本では、外国語の能力は非常に重視されます。帰国子女として子供を育てたいと考えることもあるはずです。当記事では、帰国子女について詳しくご紹介します。
もくじ
帰国子女とは?
帰国子女とは、どのような人を指すのでしょうか。ここでは帰国子女の定義についてご紹介します。
帰国子女の意味・定義
文部科学省の「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について(答申)」によると、以下のように定義されています。
「帰国子女」とは、海外勤務者等の子女で、引き続き1年を超える期間海外に在留した児童生徒をいう。
(引用元:児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について(答申)|文部科学省)
つまり、帰国子女とは『海外の生活経験が1年以上の子供』を意味します。
帰国子女というと外国語を流暢に話すイメージがあるかもしれません。しかし実際には、親の仕事の関係で1年以上海外に滞在していれば帰国子女という扱いになるため、帰国子女だからと言って、必ず英語が流暢であるとは限りません。また、英語圏以外の国に1年以上滞在していた場合も帰国子女となります。
帰国子女の「子女」の意味とは?
帰国子女には「女」という漢字が使われているため女の子や女性のみを指すと思われることが多いですが、帰国子女は男の子にも女の子にも使うことができます。
帰国子女の「子」は「息子」、「女」は「娘」を表します。合わせると帰国子女=「帰国した息子や娘」という意味になりますので、帰国子女は男の子にも女の子使うことができるのです。
ただし、「良家の子女」という場合の子女は、娘や女の子のみを指すので注意が必要です。
帰国子女の特徴・メリット
帰国子女の子供達には帰国子女ならではの特徴やメリットがあります。ここでは帰国子女の3つのポイントに絞ってご紹介します。
英語をうまく発言できる
帰国子女最大のメリットは、語学に堪能であるということでしょう。日本人であっても、第二外国語として英語やそのほかの言語の圏内で生活をしていたことから、日本人の日本語と同じような感覚で使いこなすことができるケースが多いです。
言わずもがな、英語が世界の共通語としてさまざまな国で使用されているため、英語が話せるという帰国子女は多くいます。彼らはネイティブの発音をするので、とっさに出る会話の中の英単語の発音が驚くほど流暢ということがあります。
また、学校の英語の授業や仕事で海外の取引先とコミュニケーションをする際などにも困ることがありません。学校の授業では、日本人の英語の先生より発音がきれいなんていうこともあります。
表情や表現が豊か
海外の文化や生活に慣れ親しんでいるは、表情や表現力が豊かなことが多いです。ボディランゲージという言葉がありますが、外国の人は同じ感情表現でもとても大きな表現をします。
喜怒哀楽が激しいという訳ではなく、1つ1つの表現方法が日本人よりもはっきりとしているのです。日本人は「つつましい」「おしとやか」などというイメージがあるように、曖昧で控えめな表現を良しとする文化の中に生きています。そのため、帰国子女から見ると「何を考えているのか分からない」と感じるほど、表現に関しては謙虚です。
楽しいときには思い切り笑う、怒るときや悲しいときは感情のままに怒ったり泣いたりするなど、純日本人と比べると、帰国子女の人はより外国の文化に近い振る舞いをする存在と言えるのです。
より広い視野を持っている
帰国子女は、日本以外の文化に触れて育っています。そのため、グローバルな視野で物事を捉えることができます。日本人の視野の狭さは「島国根性」などと揶揄されることがありますが、彼らの場合は違います。
文化・言語など日本とは異なる環境で育ち、日本だけではない世界に向けた思考ができるようになっています。言葉の壁もなく、多国籍の人と知り合っていたりするケースもあるので、日本で育った人とは視点も思考も異なっています。