お年玉はお正月の一大イベントです。子供にとってはとても楽しみにしている行事なので、親としても子供の喜ぶ顔が見たいものです。
お年玉は室町時代から続く、日本古来の伝統行事です。新しい年を祝い、子供の健やかな成長を祈念するご祝儀だと言われています。ただ単にお金をあげるだけではなく、由来や正しいマナーも一緒に伝えたいもの。大人がお年玉の意味やマナーをきちんと知っておくことはとても大切です。
お金のことはなかなか話題にしにくく、どんなマナーがあるのかなどを教えてもらえる機会はなかなかありません。そのため知らなかったとはいえ、常識がない、マナーを知らないと後ろ指を指されてしまうこともあるのです。
今回は、お年玉に関するマナーを詳しくご紹介します。ぜひお年玉をあげる際の参考にしてください。
【お年玉】お札の入れ方
お年玉のお札には、折り方にマナーがあります。曲がって折っていたり、お札に多くの折り目を付けてしまうのはNGです。きちんとした折り方をここで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
必ず新札を用意する
お年玉は通常の冠婚葬祭とは異なりますが、ご祝儀の1つとして考えます。そのため、中に入れるお札は新札を使用しましょう。くれぐれも端の切れたお札や、汚れたお札を使用することは縁起が悪いので避けてください。これは大人として最低限のマナーです。子供にあげるお年玉だからといって、マナーを守らないのでは示しがつきません。
新札は銀行の窓口で両替が可能です。暮れの時期になると、両替機でも新札に替えてくれる店舗もあります。窓口の場合、銀行の営業時間内であれば対応してもらえますが非常に混み合う時期でもあります。機会があるときに早めに用意しておきましょう。
四つ折りは避ける
お年玉袋にお金を入れるときは、絶対に四つ折りにしないでください。四という数字は「よん」のほかに「し」と読むこともできます。「し」は「死」を連想させる縁起の悪い数字として知られているからです。ご祝儀という縁起の良いものに対し、四という数字はご法度なのです。
また四つ折りにしてしまうと、せっかくの新札に折り目がたくさんついてしまうことになります。お年玉に使用するポチ袋は、折らなくていいお札ちょうどのサイズや、三つ折りにしたお札に合わせたサイズがほとんどです。奇をてらって通常とは異なるサイズなどにすると、お札が正規の折り方では入らない! なんていうことにもなりかねません。三つ折りもしくは折らない状態で渡せるポチ袋を選ぶことがポイントです。
綺麗な三つ折りのコツ
お年玉のお札を綺麗な三つ折りにして入れるにはコツがあります。
すべてのお札に共通するのは、中表にして、肖像画を右側に持ってくることです。あとは絵柄が若干異なるので、それぞれのお札について説明していきます。
1,000円札
- 右側に野口英世の肖像画の部分を持ってくる。
- 左側の端を野口英世の輪郭の部分に合わせて折る。
- 右端を左の山折りにした端に合わせて折る。
5,000円札
- 右側に樋口一葉の肖像画の部分を持ってくる。
- 左側の端を樋口一葉の左上にある飾りの部分に合わせて折る。
- 右端を左の山折りにした端に合わせて折る。
10,000円札
- 右側に福沢諭吉の肖像画の部分を持ってくる。
- 右側の端を左の方にある赤い朱印の下にある模様の真ん中に合わせて折る。
- 左端を右の山折りにした端に合わせて折る。
三つ折りでピッタリそろえることは難しいと思いがちですが、コツさえ一度掴んでしまえば、きれいに三つ折りをすることができます。
お札が複数枚あるときは?
3,000円などお札を複数枚使用する金額の場合も、注意点があります。それは、1枚1枚別々に折らないことです。仮に3枚の場合は、3枚一緒に三つ折り、もしくは二つ折りにするのがマナーです。
枚数を重ねると折り目が若干異なる場合があるので、調整しながら折るようにしましょう。またお札の向きや表裏は必ず統一してください。